大学院に行きます #9
お仕事引き継ぎ編
受験勉強の方法の続きを書こうと思っていたのですが、仕事でちょっとした出来事があり、モヤモヤが止まらず、自分の気持ちの整理のため、今日はお仕事引き継ぎ編にしました。
先週から引き継ぎ(KT)が始まりました。気合入れて、渾身のKTマニュアルをパワポで作り、スケジュール作り、上司のOKもらって先週の火曜日に第1回目のKTミーティングを行ったのですが、、、
後任は業務未経験者!
私は現在、某大手証券会社のIT部門で、部長のパーソナル・アシスタント(PA)及び部員サポート及びプロジェクト担当、というマルチタスクをこなしています。
PA経験は15年以上、プロジェクト経験は4-5年、システムコンバージョンのプロジェクト経験あり、で5年前に現職に転職したのです。
就業形態は派遣契約ですが、お給料はMonthlyで契約しており、以前の正社員時代とそう変わらない年収を維持しています。
自分でいうのもなんですが、、、派遣契約ですが同僚の正社員と同等、もしくはそれ以上の業務量をこなし、部内の人たちから頼りにされてます。
そんな私の後任選びは難航している、とビジネス・マネージャー(BM)から聞かされていました。私が大学院進学のため、3/末で退職する意向を部長に知らせたのは昨年末ですから、時間はたっぷりあったわけです。
そしてやっと決まった後任は、他部署から異動してくる方なので、KTは週に1-2回、1-2時間程度で大丈夫だと思います、と言われたのが2月中人のこと。
それでも職人気質の私は、仕事のカテゴリー分けから、その説明、チャート、必要なユーザーガイドを更新してリンクをすべて張り付けたKTマニュアルを作り、ミーティングの数日前に送り、時間があったら目を通しておいてください、とお願いして第1回目に臨みました。
以下、後任の方と私の会話
私「こんにちはー。KTマニュアル見ていただけましたか?」
後任「ちょっと見たんですけど全然わからないな、と思いました」
私「え!わかりにくいところありましたか?ユーザーガイドは見ましたか?」
後任「見方がよくわからないんで、あんまり見てないです」
私「Confluenceのページに飛べば、全部見えますよね?」
後任「うちの部はConflunence使ってないから、、、」
私(の心の声)「そっちは使ってなくても、こっちは使うだよーーー」
聞いてみると、私の業務、ほぼすべて未経験とのこと。この会社に数年いるけど、まったく異なる業務をしているうえ、他社でもPAやプロジェクトなど担当したことない、と言うではないですか!!!
私、なめられてる?
未経験でも簡単にできる仕事しかしてない、と思われてる??
ある中華料理店のお話
これ以上内容を具体的に書くと、生々しいので、お話を中華料理店に置き換えてみました。
私は、とある老舗中華料理店の厨房で、飲茶の調理を任されている料理人です。このたび退職することになり、支配人から後任Aさんを紹介されたので、レシピを準備し、引き継ぎを行うことになりました。
☆厨房にて
私「では、初めに水餃子の作り方を引き継ぎたいと思います」
A「水餃子って何ですか?」
私「え?水餃子は、焼くのではなく茹でた餃子です」
A「そうなんですか」
私「(焦りながら)ま、まず、餃子の餡ですが」
A「餡って何ですか?」
私「(驚愕しながら)餡とは、中身のことです」
A「へー、中身のこと餡ていうんですか」
私「知らなかったですか?」
A「(当然のように)知らないですね。初めて聞きました」
私「(なんとか平静を保つ努力をしながら)豚もも肉とバラ肉をミンチ状に、、」
A「ミンチって何ですか?」
私「(もう無理!)とりあえず1回、私の説明を聞いていただけますかっ?」
こんな調子で1時間半の第1回目の引継ぎが終了。ここまでド素人が来ると思っていなかった私は、レシピに詳細な作業を加筆し始めました。
とてもむなしい作業です。
そんな最中に支配人から電話がかかってきました。
支配人「引継ぎ、どうでしたかー?」
私「あの、Aさんて中華料理は未経験だそうですが、ご存じでした?」
支配人「そうみたいですねー」
私「えーと、中華鍋も持ったことないと言ってましたが、それもご存じでしたか?
支配人「聞いてましたけど、中華鍋なんて誰でも持てますよねー」
この時、私の中で、パリンと音がして何かが壊れました。
私「中華鍋持ったことがない人に、私は今まで出会ったことがありませんが、そういう方に私の後任が務まる、とお考えなんですかっ!!」
かなり冷静に言ったつもりですが、怒っているのが伝わったようで、
支配人「そんなことないです!とんでもないです!Piccolaさんのスキルと経験持っている人なんて簡単に見つからなくて、そんな時、Aさんを紹介されて、感じのいい方だったし、評判もよくて、なんとかかんとかで、どうしたこうしたで、あーだこーだ(あきれてたので記憶が飛んでいる)」
私「感じがいい、とか、悪い、という話をしているのではありません。感じなんてどうでもいいんです。経験がなくてもスキルがあれば、どうにかなるかもしれませんが、基礎的な知識もないうえに、知りません、わかりません、使ったことありません、と堂々と言えるマインドが、私には理解不能です」
支配人「そ、そうですよね、本当にそうです。私から、次の引継ぎまでに、中華鍋持つ練習とレシピの読み込みと、わからないことはググって調べるように言いますね!あと次回は私も参加させていただきます」
私「中華鍋持てるようになっても、飲茶作れるようになるまで、ずいぶん時間かかると思いますけど」
支配人「えーと、レシピはあとどのくらいありますか?」
私「今日とりあえず水餃子やったので、あと春巻き、シュウマイ、蒸し餃子、ワンタン、ですかね。デザートは無理なので引き継ぎません」
支配人「それだと仕事量が少ないので、Aさんができそうなデザートありませんか?」
私「技術と経験がない人に作れるデザートはありません!」
無自覚の差別
中華料理店のお話、全然誇張ではないんです。本当にこんなレベルだったのです。
そこまでのロースキル、ノーキャリアの人(※Aさんを貶めているのではないです。この人には他のスキルや他のキャリアがあると思います)に仕事を引き継ぐ苦痛。
私の中で壊れた何かの破片が、なかなか取れないのです。
私は、結構割り切りが早い方だと思っていたし、仕事で何かあってもすぐ切り替えられるタイプなんです、普通は。
それなのに。。。ずーと心が晴れなくて、休日も何かしていても、ふとした瞬間にむなしさがこみあげてきて、この数日、なかなか寝付けない状態。
深呼吸、とか、マインドフルネス、とか、瞑想とか、全然効果なし(笑)
仕方ないので、忘れようとするのではなく、私の心の中を深掘りしてみました。
一番引っかかっているのは、支配人(本当はBM)の「誰だってできるでしょう」発言。
この会社、うっすらとした、ですが、アシスタント職やサポート業務を見下す風潮があるように思います。
他のアシスタントからも同様の意見を聞きますし、何かと社員と非社員(派遣や請負契約)を区別するんですよね。
私は、逆にこの会社の社員にはなりたいとは思わない(そういう人多いんです)ので、その区別はむしろいいのですが、そこで「社員より非社員は下」と勘違いする人も一定数いる、と感じます。
私個人は、直接見下されたり、不当な差別を受けていない(ゼロではないですが)と思っていますが、このBMの発言には、「しょせんアシスタント業務でしょ」という本心が見えてしまった気がするのです。
本来、社員と非社員は就業形態が異なるだけ、開発者、アシスタント、コンサルタント、アナリスト、などは単に職務が違うだけ、なんです。
どっちが上とか下とかの話ではないはず。
BMも本人は「アシスタント職を下に見てるなんてとんでもない!」と言っているし、本当にそう思っているつもりなんでしょうけど、心の奥底にはこういう差別的な気持ちがあったのではないか、と推測します。
きっと私にも、違う種類で、無自覚に差別する気持ちがあるんだと思います。今回の出来事で、差別は無自覚に存在する、と自覚しようと決心しました(ややこしい)。
こうして、noteに書いて、やっと落ち着いた気がします。今日からはぐっすり眠れそう、かな。
次回は、勉強のことを書く予定ですが、もし中華料理店で別の展開があったら、続きを書くかもw
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