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『暑寒を制す』㉔太陽からの熱を遮って省エネ効果を生む「間接省エネ」。冬場はまったく効果がないかと思えばそんなことはなくむしろ冬の方が効果が大きいという話で年間を通じて省エネに大きな効果があるとわかった。

太陽からの輻射熱を遮る。寒い冬にこんなことをすれば逆に寒くなるのではないか?と心配してしまいますが心配無用です。

夏と冬では熱源が逆転する、それだけです。

つまり、冬は室内の暖かい熱が外に逃げずにずっと中にとどまるので暖かいのです。
たとえばストーブから発せられる輻射熱は遮熱されることで外部へ逃げることなく、室内で反射を繰り返しながら物質を温め、そして減衰していきます。

まるで電子レンジで温められているかのようです。


そして、わたしたち人間の体も同じです。わたしたちは常に熱を持っていますからずっと電磁波を出し続けています。それが外に逃げないでまた跳ね返ってくるので体が冷えにくくなります。自分で発した輻射熱が反射してまた自分にあたって発熱するんです。

前に説明しましたが、床に施工すれば底冷え防止になります。熱が高い方から低い方へ逃げるのを防ぐからです。電磁波的には反射によって外へ出られない状態ということが言えます。

感覚的には床下からの冷気を遮断できるから暖かい、ということになるでしょうか。

いずれにしても、床下に遮熱施工をすると自分の体から発せられた電磁波が温度の低い床下へ逃げないので体も冷えない、という状態を保つことができることになります。

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エマージェンシーシートをご存じでしょうか。ものすごく薄い銀色のシートです。寒いときに体を包むと暖かいというあれです。防災用品によく含まれてますね。あと登山用具にも。

エマージェンシーシートはそれ自体が熱を持っているわけでもなく、熱を発するわけでもないのです。なのに暖かくなるのは、自分が発した輻射熱が内部で反射して外に逃げないからです。

エマージェンシーシートは究極の保温材であるといえます。自分の熱だけで体温をキープするのですから。厚さ1mmにも満たないものすごく薄いシートだけで、もちろん電源も他のエネルギーも必要としないのです。

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冬は遮熱材の威力を発揮するもう一つの季節なのです。

実は臨床的(?)には冬の方が効果を実感しやすい、とさえいわれています。
雪国などではガラスに遮熱フィルムを貼るだけでその効果は絶大だといわれています。

そうです、壁や天井に貼るシートはアルミ箔のようですが、実は窓ガラス用の遮熱フィルムも販売されているのです。

もちろん、可視光線をできるだけ遮らずに遮熱するので遮熱性能は少し落ちます。また、製品によっては携帯電話の周波数帯も遮断してしまい、そのフィルムを使うと室内が携帯電話圏外になってしまうという笑えない副作用もあったりします。

そのぐらい効果がしっかりしているということでもあるのですが。。。

こうした遮熱シートと遮熱フィルムで建物全体を覆ってしまう、遮熱ラッピングで完璧な遮熱を行うことで「間接省エネ」環境の構築と並行して「直接省エネ」でしっかり消費電力を削減していくことがベストな省エネだと考えています。

次回は、とうとう「暑寒を制す」も最終回です。最後は電気を買わない暮らしと電気を買わない経営についてお話しします。

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