工藤工
最近の記事
マガジン
記事
『暑寒を制す』㉓究極の省エネ概念である「間接省エネ」には数字に表せないメリットがたくさんあった。間接省エネに「副産物」がまた秀逸だった。
「間接省エネ」を実施すれば、電気代の削減という形で効果がはっきりと目に見えてきます。これは「間接省エネ」に限らず「直接省エネ」も同じです。 しかし「間接省エネ」には「直接省エネ」にはない、「間接省エネ」特有の特徴がいくつかあったのです。 まず大きいのは、熱射病の予防です。これは効果絶大です。 夏場のニュースでは、エアコンをかけていたのに高齢者が熱射病で病院に搬送された、などということもよく耳にします。 エアコンを効かしていてもとくに窓際などはかなり暑いですよね。 これは
『暑寒を制す』㉑新しい製品に買い替えれば確実に省エネできる「直接省エネ」とサスティナブルで環境に優しい「間接省エネ」を掘り下げて比較してみた
イメージしやすいように、事務系オフィスを例に考えてみます。 事務系オフィスの7〜8割の消費電力源は照明、空調、OA機器といわれています。 これらはいわゆる電化製品で、常に新型が発売されています。そして、それらの新型はほぼ例外なく省エネ設計になっています。同じ性能なら前のモデルよりは確実に省エネ性能がアップしているということです。 なので、新しいこれらの製品に入れ替えれば、それだけで消費電力が確実に削減されます。 先行投資はかかりますが間違いなく省エネは達成されます。これ
『暑寒を制す』⑳消費電力の低い電化製品に変えることが省エネと思っていた。でも「間接省エネ」という概念を思いついたら、省エネがもっと進むことに気がついた。
遮熱とは、入ってこようとする熱の種を反射させてしまうことで室内に熱を発生させない技術であることは理解できましたか。 言い方を変えると熱を室内に入れない。これが「遮熱」です。英語では遮熱も断熱も同じInsulationなのですが。。。 ここまで読み進めていただければ、熱の本質とより確実に熱を制御できるのが遮熱という概念であることは理解していただけたと思います。 では、ここからはその遮熱の優れた熱制御技術を日常にどう生かしていけばいいか、ということに話をシフトして行きたいと
『暑寒を制す』⑰遙か遠くの太陽から地球まで熱が届けられる仕組みが理解できた。「輻射熱」の性質をよく理解することで熱を制することも見えてきた。
外気温が30℃を超えるような天気の時は、やはりそれなりに多くの輻射熱が発生しているはずです。 太陽からの贈り物である『輻射熱』は地表にある物体を温めますが、輻射熱自体はその物体を温めてとどまるものと、反射をしてまた他の物体にぶつかり、その物体を温めて反射して…という現象が際限なく続いていく性質があります。 もちろん減衰はすると思いますが何回ぶつかったらゼロになるなどというセオリーはありません。ゼロになるまでぶつかり続けるか、まっすぐ飛び去るか、電磁波のみ知る、ということに
『暑寒を制す』⑯そもそも気温とは何なのか?日常的に使っているのにその意味を深く考えたことがなかった。でも「気温の正体」がわかった!
気温とは、その名の通り空気の温度です。日本では摂氏が使われています。摂氏は水が基準になっています。液体である水が固体=氷になる温度が0℃で、気体=蒸気になる温度が100℃。 もともとは絶対零度という基準があります。でも、こんな超低温なんて一般人の日常生活にはまったく縁がありません。この基準でいくと、水が氷になる温度が273℃、人間の体温は310℃ということになります。ピンときませんよね。 それに温度の区切り幅も生活に合っていなければ使いにくい、ということで一番身近な水を基
『暑寒を制す』⑮省エネ住宅にも採用されている「断熱材」、使い方を間違えると恐ろしい。「断熱材」を知ったら「蓄熱材」と言った方が適切な気がした。
極寒の冬。体の熱は低い方、つまり外へどんどん逃げていきます。 だから寒い。 寒くなる理由は、体が冷やされていると思っていたら、実際にはそうではなく熱がどんどんカラダから逃げていたからなんです。風でも吹こうものなら更に体温は奪われるのはこういう理由からだった。 「放射冷却」という言葉を聞いたことがあるともいますが、正体は輻射熱です。輻射でどんどん熱が逃げていくので、結果的に熱源が冷却されると言うことです。 「底冷え」がまさに分かりやすい、実は身近な「放射冷却」だったんで