『暑寒を制す』⑳消費電力の低い電化製品に変えることが省エネと思っていた。でも「間接省エネ」という概念を思いついたら、省エネがもっと進むことに気がついた。
遮熱とは、入ってこようとする熱の種を反射させてしまうことで室内に熱を発生させない技術であることは理解できましたか。
言い方を変えると熱を室内に入れない。これが「遮熱」です。英語では遮熱も断熱も同じInsulationなのですが。。。
ここまで読み進めていただければ、熱の本質とより確実に熱を制御できるのが遮熱という概念であることは理解していただけたと思います。
では、ここからはその遮熱の優れた熱制御技術を日常にどう生かしていけばいいか、ということに話をシフトして行きたいと思います。
まず、省エネと聞くとどんなことが思い浮かびますか?
「電気をこまめに消す」「エアコンの温度設定を緩める」「照明器具をLEDに交換する」「エアコンや冷蔵庫、テレビなどの電化製品を最新機種に入れ替える」などでしょうか。
これらはいずれも、「使う電気を意識的に少なくする」か「省エネ設計の最新機種に交換する」のどちらかにあてはまります。
このような省エネは直接的に使うエネルギーを減らそうと試みることから、わたしは敢えて「直接省エネ」と呼ぶようにしています。
直接省エネでは必ず一定の省エネ効果が得られます。でも、一度実行してしまうとそれ以上の省エネは望めません。数年後に更に省エネ設計された製品に買い替えることぐらいですか。
一方、「直接省エネ」と区分するために「間接省エネ」という概念もつくりました。
要するに、電気を使わなくてすむ環境を作って、結果的に省エネにつなげるという考え方。これサスティナブル的な考え方なんですよ。
どういうことかというと、イメージとしてはこれらの遮熱素材で建物をラッピングしてしまいます。
そうすると、建物内が快適空間に激変しますので夏場のエアコンの出動要請が大幅に減ります。
冬場は逆に熱が外に逃げにくいのでヒーターの稼働率も下がります。
結果として電気の使用量が減るので電気代が減る、というのが間接省エネです。
今までの実績だと、フルラッピングでだいたい半分以下になっています。
おまけにエアコンはフル稼働しないので寿命が延びます。
結果として今設置されているエアコンがオーバースペックになってしまうケースもよくあります。
以上が簡単な「間接省エネ」の概念です。
次回は、間接省エネと直接省エネをもう少し掘り下げて比較してみましょう。
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