携帯電話契約時の本人確認に関する悪質な記事
携帯電話契約時の本人確認について、マイナンバーカードの読み取りが義務化となるというような内容の記事がSNSで話題となっていました。元になっている記事を読みましたが、とてもわかりにくい書き方です。見出しなどから、すぐにでもマイナンバーカードがないと契約できなくなると思わせる書き方でしたが、別の記事を読むとそうではないことがわかりました。
TBSテレビの記事
SNSでは、下記の記事が拡散されていました。
見出しと内容が一致していなくて、一度読んだだけでは意味がよくわかりませんでした。
まず、「携帯契約の本人確認、マイナンバーカードの読み取り義務化へ」という見出しがミスリードだと思います。
本文には、対面の場合は「マイナンバーカードなどに搭載されているICチップの読み取りを本人確認方法として義務付けることを決定しました」と書かれており、マイナンバーカードだけとは書いていません。
見出しは「マイナンバーカードの読み取り義務化」ではなく、「ICチップの読み取り義務化」とするべきではないのでしょうか。
ITmedia NEWS
一方、ITmedia NEWSの記事は、とても丁寧に書かれています。以下、一部引用です。
マイナンバーカード「など」の部分について、ちゃんとデジタル庁に確認しています。
明文化されていないという回答だったようですが、運転免許証やパスポートにもICチップが入っているので、使える可能性があります。
TBSの記事には、それについて全く触れていないのが悪質です。
上記の記事には、元になっている資料や大臣会見動画もきちんと示されています。
「国民を詐欺から守るための総合対策」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/kettei/240618/honbun.pdf
大臣は「原則一本化」と言っているので、例外があるのかもしれません。決定したことは事実のようですが、省令改正を経てからの話ということなので、また形だけでもパブコメ募集があるかもしれません。
参考:携帯電話不正利用防止法
https://www.soumu.go.jp/main_content/000693214.pdf
TBSの記事を読んだだけだと、マイナ保険証と同じように、すぐにでもマイナンバーカードが必要になると思ってしまう人がいるかもしれません(下記参照)。6月いっぱいはnoteを書く時間があまり取れないのですが、TBSの記事があまりに悪質だったので、これも書かずにはいられませんでした。
ITmediaの記事は編集記者の方が書いているのだと思いますが、インボイスと電気料金値上げの関係について書いた方も、とても丁寧な記事でした。
私もそのような仕事を心がけたいと思いつつ、本業の執筆に戻ります!