HPVワクチン接種後の死亡とMSD社が報告した未知の副作用「免疫反応」
7月29日に開催された「第102回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」の資料として、HPVワクチン接種後の「副反応疑いの報告」が公開されています。その中に、ガーダシルまたはシルガード9接種後に死亡した事例が1件ありました。
第102回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
厚労省のサイトで、下記の資料が公開されています。
資料2-8 HPVワクチン(サーバリックス)の副反応疑い報告状況について
資料2-9 HPVワクチン(ガーダシル)の副反応疑い報告状況について
資料2-10-1 HPVワクチン(シルガード9)の副反応疑い報告状況について
令和6年1月1日から3月31日までの報告として、ガーダシルまたはシルガード9接種後に「死亡」が1件ありました。
表全体を入れると文字が小さくなってしまうのですが、5ページの表にある16番です。症状名には「免疫反応」と書かれており、転帰内容に「死亡」とありますが、年齢や接種日等は「不明」となっています。
この一覧にもありますが、やはり接種日や年齢等は不明です。「死亡」という報告なのに、なぜもっときちんと調べないのでしょうか。この事例は、「製造販売業者からの報告」です。ワクチンを製造販売した企業なら調べる責任があると思いますが、「報告医評価」は「入手不可」になっています。では、どうやってこの情報を得たのでしょうか。
車椅子使用者も複数ありますが、これらも同様に詳細は「不明」です。
13歳の事例には、「多発性硬化症、食欲減退、歩行障害、視力障害、歩行補助用具使用者、車椅子使用者、起立障害、協調運動異常、感覚障害、急性散在性脳脊髄炎、悪心、嘔吐、筋力低下、感覚鈍麻」と書かれています。転帰は「軽快」となっていますが、治療行為により改善が見られたということであり、「回復」とは異なり、継続的な治療を必要とする状態です。
平成26年の副反応追跡調査結果
ここで、過去の「副反応疑いの報告」を掘り起こした中で気になる点を取り上げます。
「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の副反応に関する厚生労働省の調査について、平成26年11月までに副反応の疑いがあると病院から報告があった2,584人のうち、約6分の1にあたる442人の現状しか厚生労働省が確認していないという旨の一部報道がありました。下記の通り調査の詳細についてご説明いたします」と書かれたページで公開されている資料です。
「このように、副反応疑い報告のあった2,584人全員について、可能な限り状況の確認を行い、1,739人について、症状が回復したかどうかなどの確認ができているものと考えています」とあり、「病院が変わったり、転居していたりなどで追跡不能な方が845人いました」とも書かれいます。つまり、この時点でも副反応疑いの報告はきちんと追跡調査できていなかったのです。
さらに、「3人はワクチンに関係がない要因で亡くなっていました」という点に注目しました。
資料4-1 副反応追跡調査結果について [PDF:164KB]
平成26年11月までに副反応疑いの報告があった中で、死亡は3件。
「3件の死亡症例の死因内訳は、①自殺、②心室頻拍及び③骨肉腫とされており、いずれもワクチンの安全性への懸念となるものではないとされている」と書かれています。
この3例は、サーバリックス接種後の報告だったようです(下記参照)。
MSD社が行った調査結果
ここで、2024年7月29日に開催された「第102回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」の資料に戻ります。
下記は、日本で「ガーダシル」と「シルガード9」の製造販売承認を取得したMSD社が提出した資料です。
資料2-10-2 シルガード9懸濁筋注シリンジ全例登録による強化安全監視活動最終報告書
以下、まとめ部分からの引用です。
調査結果から、「多様な症状」に関しては、新たな安全性の懸念は認められなかったと書かれていますが、「回復したこと又は治療不要となったことを確認する前に追加情報を入手できる見込みがなくなったため、やむを得ず調査終了とした症例は9例だった」と書かれていた中に、重篤であり回復していない事例も含まれています。
No.4は「ワクチン接種部位疼痛 6ヵ月以上 軽快 重篤(障害) 」と書かれています。「軽快」については前述しましたが、障害とは、「永続的又は顕著な障害・機能不全に陥るもの」だと注意書きがあります。
別の担当医が「再調査協力は難しい」と言ったから、調査を終了しています。
No.41は「発熱 6ヵ月以上 軽快 非重篤 」「悪心 6ヵ月以上 軽快 非重篤 」「倦怠感 6ヵ月以上 軽快 重篤(その他) 」と書かれています。「その他」とは、「その他の医学的に重要な状態」とのことです。
症状が6ヶ月以上続いていて、回復していないこのような事例こそ調査をするべきなのに、通院している患者ではないからという理由で調査を終了しています。「連絡もつながらない」と書いていますが、症状が6ヶ月以上続いていることが分かったなら、連絡手段はあるのではないでしょうか。
さらに、下記のリストも公開されています。
接種後にこれだけいろいろな器官に症状が出ているのです。そして、「精神障害」20件と書かれています。ワクチン接種により精神障害が起きる可能性があるなら、自殺との関連についてももっと調べる必要があると思います。
また、「未知の副作用に関する見解」という部分に「免疫反応 18件」と書かれています。
7月29日の報告書に書かれていた死亡事例にも、「免疫反応」と書かれていました。「未知の副作用」として書かれた「免疫反応」とは、どのような症状なのでしょうか。コロナワクチン接種後に死亡した事例のように、サイトカインストームが起きた可能性ということなのでしょうか。
下記は、コロナワクチン2回目接種後に死亡した4例に関する論文です。ワクチン接種後にサイトカイン ストームが発生し、SIRS(全身性炎症反応症候群)と死亡に至った可能性が示唆されています。
MSD社は「本剤接種との関連性を示す根拠の集積はなく、新たな安全性の懸念は認められなかった」と結論づけていますが、18件出ているならもっと調べる必要があるはずです。
過去の報告より
2023年7月報告分には男子の死亡事例もありましたが、これも詳細不明のままです。
資料2-10 HPVワクチン(シルガード9)の副反応疑い報告状況について
ワクチンに関する死亡報告一覧
2023年4月28日
事例6として書かれているのが上記の男子だと思われますが、詳細は不明です。ただこちらには、「接種2日後に死亡」と書かれています。
この事例も製造販売業者からの報告であり、「報告医評価」は「入手不可」になっています。
このような報告で、納得できますか?
「ワクチンに関する死亡報告一覧」にはコロナワクチン以外のワクチン接種後に死亡した事例が書かれていますが、シングリックス(帯状疱疹)とニューモバックス(肺炎球菌)、ジェービック(日本脳炎)が多い印象です。同時接種による乳幼児の報告もあるので、それは別の記事で取り上げる予定です。
他のワクチンでも死亡が報告されていますが、これらと比較すると、コロナワクチン接種後の死亡者数はやはり異常だと改めて実感します(下記参照)。
以下、全部拾えていないと思いますが、自分用のメモとして残しておきます。
ワクチンに関する死亡報告一覧
2024年4月
ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンに関する死亡報告一覧(2013年3月7日)
<関連記事>
HPVワクチン接種後に死亡した男子については、昨年の記事でも取り上げました。
下記の後半で、HPVワクチンについても取り上げています。
夏休みの自由研究のテーマが決まっていない人は、ぜひ下記の記事を参考にしてください!