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中高生向け:「子宮頸がんワクチン」から「HPVワクチン」へ 報道の変化

「HPVワクチン」は、接種の勧奨が再開される前は「子宮頸がんワクチン」と呼ばれていました。「子宮頸がんワクチン」から「HPVワクチン」へと呼び方を変えただけで、中身が変わったわけではありません。「子宮頸がんワクチン」に関するリスクは報道されましたが、「HPVワクチン」はメリットばかり発信されているのはなぜなのでしょうか。


「子宮頸がんワクチン」に関する報道(2013年~2022年)

日本では子宮頸がんを予防するワクチンとして、サーバリックスが2009年12月、ガーダシルが2011年8月に接種が開始されました。以下、朝日新聞デジタルから、これまでの経緯を引用します。

2009年10月 2価ワクチン「サーバリックス」承認
2010年11月 国が接種の公費助成開始
2011年7月 4価ワクチン「ガーダシル」承認
2013年4月 定期接種の開始(小6~高1相当)
2013年6月 持続的な痛みが接種後に特異的に見られたとして、厚生労働省が積極的勧奨を中止

2014年1、7月 厚労省副反応検討部会は、接種後の症状は「機能性身体症状」で、接種後の痛みや不安などがきっかけになったことは否定できないと判断。中毒や免疫反応は否定

2016年7月 副反応を訴える女性たちが国と製薬会社に損害賠償を求めて提訴

2016年12月 接種していない人でも、接種後にみられた症状と同様の症状の人が一定数いると厚労省研究班が調査結果を発表

2020年10月 厚労省が安全性や効果をまとめたリーフレットを改訂し、自治体にワクチンの情報について個別通知を求める

2021年8月 田村憲久厚労相が積極的勧奨再開の議論を始めると表明

https://www.asahi.com/articles/ASPB175Q5PB1ULBJ00J.html

シルガード9(9価)は、2020年7月に承認。

そして2022年の4月から、HPVワクチンの定期接種について、自治体から接種対象の女性へ予診票などを送る積極的勧奨が再開されました。

勧奨中止から開始までの間に報道された、ニュースの動画を掘り起こしました。どれも短い動画なので、この時代のニュースを見ていない方は、ぜひ自分の目で確認してみてください。

2013/06/15 ANNnewsCH 子宮頸がんワクチン接種呼びかけ中止へ(1分2秒)

厚生労働省は、子宮頸がんワクチンについて、体中に痛みが出るなどの副作用が報告されたことを受けて、積極的に接種を呼びかけるのを一時的に控えることを決めました。

https://www.youtube.com/watch?v=ugfwGGs0HHE


2013/08/23 ANNnewsCH 子宮頸がんワクチン問題 少女ら「接種中止」要望(58秒)

子宮頸がんワクチンの接種で副作用とみられる症状が出た10代の少女と母親らが23日午後、田村厚生労働大臣にワクチン接種の中止などを求める要望書を出した。


https://www.youtube.com/watch?v=6Z4ChJI_RBM



2013/10/16 ANNnewsCH 子宮頸がんワクチン"副作用"国の支援を訴え(1分)

子宮頸(けい)がんワクチンを接種した後、全身の激しい痛みや痙攣(けいれん)などが出たと訴える声が全国に広がっている。


https://www.youtube.com/watch?v=hMHMOhxBmSg

症状が「多々複合的に出ている」という点が、非常に重要だと感じます。1つの症状だと接種者と未接種者で有意差がでなかったのかもしれませんが、未接種者で接種者と同じ症状が複合的に出ている人はどれくらいいるのでしょうか。「多様な症状」とか「10以上の症状」とかではく、訴えている方たちの症状との比較が知りたいです。

2013/12/13 ANNnewsCH 身分隠し・・・製薬元社員が論文 子宮頸がんワクチン(1分4秒)

子宮頸(けい)がんワクチンを販売する製薬会社の元社員が、ワクチン接種に「12億円の経済効果がある」とする内容の論文を、身分を明かさずに発表していたことが分かりました。

https://www.youtube.com/watch?v=HCaO_xP44YM



2015/03/31 ANNnewsCH「子宮頸がんワクチン」“副作用”被害で2500件報告(51秒)

子宮頸(けい)がんワクチンを接種した後に体の痛みなどを訴えている女子中高生の患者らが、副作用被害の原因究明などを厚生労働省と製薬会社に訴えました。 被害を訴える女子中学生(15):「こういう体になってどういう補助が必要か、色々な対応を考えてほしいのです」


https://www.youtube.com/watch?v=nAVyPX4_kYk

「体も元に戻してほしい」、国はこの言葉の重さと正面から向き合っているとは思えません。


2016/03/16 「子宮頸がんワクチン」接種 学習、睡眠障害も(54秒)

子宮頸がんワクチンを接種した後に体の痛みなどを訴えている若い女性のうち、約4割が記憶力が低下するなど学習障害が起きていることが分かりました。

https://www.youtube.com/watch?v=fM6YZLXypFU



2016/07/27 KYODO NEWS ワクチン副作用、63人提訴 子宮頸がん、15~22歳女性(2分21秒)

国が接種を呼び掛けた子宮頸(けい)がんワクチンが、全身の痛みやしびれといった副作用を引き起こしたとして、15~22歳の女性63人が27日、国と製薬企業2社に損害賠償を求め、東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁に一斉提訴した。弁護団によると、内訳は東京28人、名古屋6人、大阪16人、福岡13人。1人当たり一律1500万円に、各自の症状に応じた賠償金を上乗せして請求する。

少し長めの動画ですが後半、5年間で20カ所以上の病院を訪れ、ワクチン接種後の入院は24回という女性の思いにぜひ耳を傾けてください。

2016/12/26 ANNnewsCH 子宮頸がんワクチン未接種でも“体に痛み”(43秒)

子宮頸(けい)がんワクチンを巡り、厚生労働省が新たな研究結果を公表しました。

https://www.youtube.com/watch?v=3YSNJHs2u-Q

「この結果だけで接種と症状の因果関係は判断できない」ということが、非常に重要だと思います。「接種とは関係がない」とは言っていないのです。

2022/12/13 テレビ大阪ニュース 子宮頸がんワクチン訴訟 3年ぶりに再開(1分26秒)

新型コロナの影響で延期されていた子宮頸がんワクチンをめぐる裁判。3年ぶりに法廷が再開されました。この裁判は子宮頸がんワクチンの接種後、痛みや痙攣が生じたり、記憶障害に陥ったりするなど健康被害を受けたとして、女性25人が国や製薬会社に対し、1人あたり1500万円の賠償を求めているものです。

https://www.youtube.com/watch?v=v-pVI9yso3Q

国や製薬会社は、「因果関係がない」ではなく、「医学的に確認されていない」と争う姿勢なのです。これも非常に重要なことだと思います。まだ確認されていないだけで、これから確認される可能性は十分にあるのです。サリドマイド薬害の場合、副反応のメカニズムが解明されるまでに50年かかりました(下記参照)。


報道されなくなった「HPVワクチン」のリスク

呼び方を変えたからといって、接種後に多様な症状が出ることについて、ワクチンが無関係であるという結論は出ていません。

けれども、積極的勧奨が始まってからは、メリットばかり言う医師や議員の発信が目立ちます。

8月19日と21日には、HPVワクチン薬害東京訴訟の専門家証人尋問期日が開催されました。私の知る限り、在京キー局のテレビ番組では報じられていません。

一方で、テレビではHPVワクチンに関連している製薬会社のCMを見るようになりました。

MSD(ガーダシル、シルガード9)
2023年4月5日付リリース

MSDは、夕方のニュース番組などで肺炎球菌ワクチンのCMも流していますね。

グラクソ・スミスクライン株式会社(サーバリックス)

グラクソ・スミスクラインはHPVワクチンではありませんが、帯状疱疹疾患啓発のCMを流しています。

どちらの製薬会社もテレビ番組のスポンサーになっているので、その企業の不利益になるような情報は流せないということでしょうか。

SNS上では、夏休み中の接種を促すツイートが多数発信されていますが、それを鵜呑みにせず、自分で調べて考えることが大切です。どうか、「医師が言うから接種しておこう」などと安易な選択はしないでください!!