地方自治法改正案が閣議決定されましたが、テレビのニュース番組では裏金問題やメジャーリーガーの結婚話に多くの時間を割いて、このことを国民に知らせようとしていません。地方紙は、また共同通信などが配信している情報を元にした記事ばかりです。こんなに重要なことなのに、なぜ国民に関心を持たせようとしないのでしょうか。
地方自治法改正案
地方自治法改正案については、以前の記事でも取り上げました(下記参照)。
以下、NHK NEWSからの引用です。
地方紙は共同通信などの配信を元に書かれているので、どれも同じような見出しの記事になっています。
地方自治体にとって非常に重要なことなのに、なぜ独自に取材をしないのでしょうか。
今回、改正案が「閣議決定」されたので、これから「国会審議」を経て、衆議院及び参議院の両議院で可決したら「法案成立」となる予定です(下記参照)。
提出された法律案は、下記のサイトで見ることができます。
令和6年3月1日 地方自治法の一部を改正する法律案
概要
要綱
法律案・理由
新旧対照条文
参照条文
「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」の定義は、どうなっているのでしょうか。
新旧対照条文 より
「大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」
「その他」「これらに類する」というのが入っていると、何でもありになってしまいそうです。
閣議とは、内閣がその職権を行うために開く、内閣総理大臣及びその他の国務大臣による会議です。今回の改正案があっさり決定したように、内閣総理大臣が必要だと言えば、必要と判断されてしまうでしょう。
さらに、「安全に重大な影響を及ぼす事態」が発生したときだけでなく、「発生するおそれがある場合」でも指示が可能となってしまいます。
このような形で命令を出されたら、各自治体は黙って従うつもりなのでしょうか。
全国知事会のコメント
全国知事会のサイトでは、閣議決定を受けて全国知事会会長が下記のコメントを出しています。
※参考:ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申(令和5年12月21日)
「国の補充的な指示が地方自治の本旨に反し安易に行使されることがない旨が確実に担保されるよう、事前に適切な協議・調整を行う運用の明確化などが図られるよう強く求める」と言っています。
テレビで報じないということは、政府は国民が知らないうちに、成立させてしまいたいということなのでしょう。
パンデミック条約などと同様に、今必要なことは、まずは国民が関心を持ち、「国民が知っている」ことを「成立させたい人たち」に知らせることではないでしょうか。
「閣議決定されてしまった!」と諦めるのではなく、今自分にできることをすることが大切だと思います。
<参考資料>
【参考資料3】専門小委員会における主な意見(非平時関係)