厚労省のサイトで、新型コロナワクチン接種後に起きた副反応疑いの報告が公開されています。9月2日に公開された新たな報告から、10代の気になる事例を取り上げます。
血尿に関する事例
ワクチン接種後の血尿は大人でも多数報告されていますが、10代の報告も出ています。
資料1-2-3-1 薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) より
紹介する報告は、重複している部分などは編集してあります。BNT162b2は、コミナティ筋注(ファイザー製)のことです。時系列で追えるように、順番を入れ替えたりしています。
12歳の少年は、ワクチン接種前に無症候性血尿と診断されていました。ワクチン接種後に急性増悪疑いとなり、「ワクチン接種と関連あり」と報告医師は評価しています。
添付文書には、「腎機能障害を有する者」は接種要注意者として挙げられています。
添付文書は、下記のサイトで確認できます。
日本腎臓学会では、評議委員581名(内科・腎臓内科339名、382施設)に行った「COVID-19ワクチン接種と肉眼的血尿出現の関連性に関する調査研究」(2021年6月2日〜6月26日)から、IgA腎症患者ではワクチン接種後に肉眼的血尿が出現する可能性があることを把握していました(下記参照)。
アンケート調査結果は下記で見られます。
COVID-19ワクチンと肉眼的血尿の関連についての調査
〜アンケート結果まとめ〜(期間:2021年6月2日〜6月26日)
2021年2月17日〜同年5月31日に、ワクチン接種後に肉眼的血尿を認め病院を受診した人に関する調査です。
接種したワクチンは全てファイザー社のワクチンで、肉眼的血尿を呈した症例の約70%にIgA腎症の診断がなされていたとのこと。IgA腎症と診断のついていないけれど尿所見のあった人も、ワクチンで肉眼的血尿が誘発された可能性があると言っています。
「大部分は尿所見の悪化はあったものの一過性で改善しており、深刻な腎機能障害に至っていないと考えられます」と言っていますが、ワクチン接種後に尿所見が悪化する可能性は2021年6月には把握していたということです。
以下は、ワクチン接種前に尿所見はなかったけれど、接種後にIgA 腎症と診断された事例です。
「未診断の IgA 腎症があり、発熱(感染)を契機に顕在化した可能性があった」と書かれていますが、発熱がワクチンによるものなら、ワクチン接種により誘発されてしまったということなのではないでしょうか。
日本腎臓学会は2021年の6月にはワクチンとの関係を把握しているのに、2022年6月の事例で「因果関係を評価不能」とされています。日本腎臓学会の調査結果は、共有されていないのでしょうか。腎機能とワクチン接種の関係については、すでに多くの事例が集まっているのではないかと思います。
「腎生検は施行されなかった」と書かれていますが、もし行われたらとても体に負担がかかります。腎生検をした人から聞いたことがありますが、背中から生検用の針を刺して腎組織を採取して、その後半日ぐらい仰向けのまま身動きできないので、とても痛くて、辛い検査だそうです。以前の記事(下記参照)では、ワクチン接種後に起きた症状で10代が腎生検をしたという事例もありました。
ワクチン接種後の排尿障害
もう1つ、腎機能関連で気になる事例がありました。
医療機関ではなく、親からの報告なので症状などの詳しいことは書かれていませんが、「医者に行ってもどこも受け入れてもらえず、コロナワクチンの副反応だから耐えなさいと言われた」というのはヒドい話です。そのような対応をされたたので、報告したのかもしれません。接種を勧めるだけ勧めておいて、接種後の体調不良にはこのような対応をするのは無責任だと思います。
排尿障害に関しては、20代でも気になる事例がありました。
この事例は「関連あり」としていますが、腎機能の低下などではなく脊椎疾患のようです。
排尿や排便は、脳からの指示を脊椎の神経(脊髄)に伝えることによって機能しているので、脳疾患や脊椎疾患などが原因となって、排尿障害が起きることもあるようです。
この事例を見て、過去にあった死亡事例を思い出しました。
発熱や排尿困難などの症状が出て死亡した、26歳男性の事例です(下記参照)。
この事例では急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が疑われましたが、ワクチン接種との因果関係は評価不能とされました。
このような事例もあるので、ワクチン接種後の排尿障害は軽視できないと思います。それなのに、「コロナワクチンの副反応だから耐えなさい」などという対応には憤りを覚えます。