2010年8月27日に開催された「第12回 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会」では、HPVワクチンについて非常に重要な問題点が語られていましたが、接種を勧める人たちはそれについて語りません。接種を検討するために必要な情報だと思うので、議事録を掘り起こしました。
2010年8月27日 第12回 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会
議事録や資料は、厚労省のサイトで公開されています。
2人の参考人による発言を掘り起こし、一部を引用します。
参考人の発言1
理化学研究所 新興・再興感染症研究NW推進センター
神田忠仁氏
5-2 神田参考人提出資料(PDF)
「実際に、血中にどのくらいの抗体価があれば、染み出ていって完全に感染を防げるのか、(中略)データは全くありません」
2010年の審議会なのでサーバリックスはすでに承認されていますが、これでも「予防ワクチン」として承認されるとは驚きました。
さらに対応する型についても、「これから本気に調べ直さなければいけないという状態」と言っています。
これで、「予防効果がある」といって国が勧めてよいレベルなのでしょうか。
「HPVDNAが検出されれば感染があるという証拠になりますが、ネガティブというのは、残念ながら感染していない証拠とはなりません」ということは、臨床試験で陰性だとしても、感染していないとは言い切れないということではないでしょうか。そうなると、臨床試験の結果だけでは、本当に予防効果があるかどうかはわからないのではないでしょうか。
「子供もおばちゃんも同じなのかという疑問」は、解消されたのでしょうか。
参考人の神田氏は、承認前の2008年にも下記の記事で同じようなことを書いています。以下、一部引用です。
IASR Vol.29 No.9(No.343)September 2008
「他の型のHPVの感染阻止はほとんど期待できない」と、はっきり書かれています。
神田氏について調べてみたところ、興味深い記事がありました。
これがどうなったのかとさらに調べてみたところ、契約は武田から化血研へ継承されたようです。
ところが化血研は2018年に、医薬品製造販売業をKMバイオロジクス株式会社に譲渡。明治グループのKMバイオロジクスは、 Meiji Seika ファルマと新型コロナ用不活化ワクチンの開発を進めていることが知られていますが、神田氏のHPVワクチンはその後どうなったのでしょうか。調べてみましたが、情報が見つかりませんでした。
2023年3月の情報では、神田氏は国立感染症研究所 名誉所員(AMED 新興・再興感染症研究基盤創生事業プログラムスーパーバイザー)となっているようです。
参考人の発言2
自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科
今野 良氏
5-1 今野参考人提出資料(PDF)
前回の記事でも書きましたが、安全性を調べるためのコントロール群になぜ他のワクチンを使うのでしょうか。なぜ、生理食塩水ではないのでしょうか。
「このワクチンが開発されて、10年経ちました、10年間予防ができました、抗体価が持続できましたということによって10年効いたという証明ができる」ということは、発売から何年経ったかが重要ということになります。世界での発売は、それぞれ下記になります。
ガーダシル 2006年→2023年(17年)
サーバリックス 2007年→2023年(16年)
シルガード9 2014年→2023年(9年)
発売されてからすぐに接種した人でも、17年しか経っていないということです。シルガード9については、まだ10年経っていません。本当に効果がわかるのは、まだまだ先ということです。
参考人だった今野氏の活動を調べてみると、下記のような講演を行っています。
参考人2人も結局、推進派だったということですね。本心から危険性について指摘する人は、参考人として呼ばれないということなのでしょう。
がん対策推進室長の発言
5-3 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する論点整理(案)(PDF) より
「対象者への性教育や保護者への正しい知識の普及を重視すべきではないか」、これは実行されているのでしょうか。
厚労省のサイトには、下記のように書かれています。
このことについて周知させるだけでも、かなり予防できるのではないでしょうか。まずそれをせずに、「とにかくワクチン」なのはなぜなのでしょうか。