【今日コレ受けvol.104】昼間の月を見る
7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」を読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。
昼間の月は見えない。
でもなくなったワケじゃない。
東日本大震災の死者は1万5,000人以上。行方不明者は2,500人以上。
震災から13年経っても、福島県7市町村の帰還困難区域は約310㎢残っている。避難者の数は、2万6,277人(2月1日現在)。
追われるような毎日のなか、災害のことは頭から抜け落ちてしまいがちだ。昼間の月のように、まるでなかったかのように。
だからこそ毎年3月11日は、震災のニュースを読み、改めて当時のことや、今なお残る避難者の状況を知ると決めている。
初めて妊娠したとき、街でたくさんの妊婦さんが目に入り、「こんなに世の中に妊婦さんがいるんだ」と驚いた。
そんなふうに、震災の被害や被災者の方を強く認識し、悼む日があれば、目に留まる情報は変わるのではないか……と思うからだ。
今日は家族3人で、大川小学校の話をした。教職員が避難方針に迷った結果、50分間校庭に留まり、津波が到達する1分前に避難を開始したために起きた悲劇。小4の息子はとても驚いて、「いざと言うとき、先生のいうことを聞いていてもダメなの?」と聞いてきた。
分からない。たぶん、その質問に正解はない。
でもどうか耳をすまして、目を凝らして、自分で考える力を持って欲しい。
そのためにも今日この日、震災について伝え、一緒に考える時間を持ち続けたい。
知っているけど普段は意識できないことと、知らないことは全く違うはずだ。
見えなくともそこに月はある。
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