数学

数学
 
某大学の数学研究室
「で、先輩は春子さんが好きなんですね。」
「ああ」
「でも、春子さんは夏彦さんが好き・・・」
「夏彦さんは誰が好きなんですか？」
「うーん、どうも秋子さんのことが好きみたいなんだ」
「そうですか・・・
てことは、秋子さんは冬彦さんが好きなんですね？」
「よく、分かったな」
「いや、わかるでしょ」
「そーだなぁ、数列からするとそうなるか‥」
「違うんですか？」
「いや、合ってるよ」
「て、ことは冬彦さんは春子さんが好きってことになりますねぇ・・・」
「・・・・・」
「どうしたんですか？」
「これってつけ入るスキがないってことなのか？」
「数学的にはそうなりますけど、ところで先輩の名前は何でしたっけ？」
「忘れたのか？雪男だよ」
「雪？・・・ゆきおとこ？‥」
「な、わけねーだろ、ユキオだよ」
「ですよね‥しかも彦が入ってない・・・・・
そうだ、わかった！
先輩、改名しましょう！」
「なんてだよ」
「決まってるじゃないですか！
梅雨彦！ツ・ユ・ヒ・コですよ。
そうしたら春子さんは夏彦さんを好きになる前に
必ず先輩のことを好きになりますよ！しかも、ちゃんと彦も付いてます！」

「・・・」
 
それから一か月後・・・
「先輩、どうでした？」
「改名は止めたよ」
「どうしてですか？」
「春子さんが新しい彼氏と付き合いはじめたんだ」
「だ、だれとですか？」
「ひろしとかいう名前だそうだ」

「ヒロシ・・・・・
これって・・・どういう数列ですかね？・・・・・」