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まえがき

まえがき

人と言う生き物は、一般的に八十歳~九十歳くらいが寿命だろうか。
金剛石のように貴重であり又、泡のように儚いものである。
老いて死する。
それで自己が消滅するのである。
考え始めると得体のしれない恐怖にかられる。
が、人間の本能は良くしたもので、そういう思考を途中で放棄し、今を精一杯生きようと云う前向きな考えに軌道修正する能力を持っている。
素晴らしい能力である。
これは人類をこれ程までに発展させた原動力に他ならない。
尚且つ、驚くべきは消滅を漠と認め最後を綺麗に全うしようとする向上心がある。
あくまでも漠とである。
その能力を持っていない者は、人類が生み出した最大の発明であり罪悪である宗教に頼ることになる。
それはそれで良いのではないか。消滅の恐怖をその魔力で一掃してくれるらしい。
小生は幸か不幸か無宗教である。
而して、肉体が朽ち果てるまで精神を全うしようという大それた考えに至る。
そう、学び、感じる努力をするのである。
ん?努力と言う言葉は当てはまらないような気がする。
そうせずにはいられないのだから努力ではないであろう。
自分と言う愚か者が、どこまで納得いく存在になれるのか。
肉体は経年劣化する。
当たり前のことである。
しかし、精神は経年熟成するのではないか。まるで酒のように。
そういう考えに同調していただける同輩に読んでいただき含み笑いの一つもして頂ければ幸甚である。

これから、表現するものは随筆、短編小説に分類されると思う。
しかし、生来お調子者の小生は、活字離れ(読書離れ)が加速する時代に小さな波紋を起こすことを熱望する。古来、和歌全盛の折に俳句が登場したように短を是とする文学に挑戦するのである。まるでドン・キホーテのように。

文酔人卍

                                               


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