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偶然 4

偶然 4
 
なんか渋い‥
ジョージクルーニーみたい‥‥
 
風呂上り、洗面台の鏡に向かって、右向き、左向き、正面、いろんな表情をしてみる。
「んーむ
ジョージクルーニーか‥‥
そう云えば似てなくもないか‥』
 
いつの間にか、女房が後ろに立っている。
「どうしたの?
もしかして、一人あっちむいてホイ?」
『あっいや、なんか老けたかなと思って‥‥』
「あのねー、10年以上前から立派に老けてんの!」
 
それから、2週間後、
チャオに電話をする。
「はい、チャオです」
予想通りである、
営業電話は女性がとる。
『ちょうど良かった、山森です』
「あら、山森さん、どうされました?」
『いや、食事に誘うと言っておきながら、君の携帯番号を聞いてなかったので‥‥』
「あっ、ほんとだ。ふっ、
えーっとね。
〇〇‥‥です。
あの‥‥」
『ん?』
「ほんとに、誘っていただけるんですか?
私が、あんなこと言ったから無理してるんじゃないですか?」
『いやいや、僕の方がむしろ楽しみにしてるよ』
「うれしぃ!ほんとですね。
楽しみにしてていいんですね」
『もちろん、いいとも』
山森、左手で思わずガッツポーズ。
『じゃ、また連絡するから』
「はい、お待ちしてます!」

山森
顔は、ジョージクルーニーになっている。

つづく

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