パクリコンニャン
パクリコンニャン
「皆様おはようございます。
こちら種子島宇宙センターのロケット発射場から生中継でお伝えします。
あと2時間32分後に、ここ種子島宇宙センターから日本初の
有人宇宙ロケットが発射されます。
それではカメラを切り替えてロケットの船体をズームで中継いたします‥」
青空の下、真っ白い船体が画面いっぱいに映し出される。
日本初ということもあり種子島宇宙センターの管制塔には首相他政府の要人が今や遅しと発射を待っている。
首相、主席秘書官に向かって
「あの船体はどうにかならなかったのかね。
協賛各社の名前を小さく表記するとか・・・
あんなに大きく各企業のロゴマークを入れる必要があったのかね」
「はぁ、何しろ宇宙開発には莫大な費用がかかりますので、
協賛企業も強気でして‥」
「うーむ‥‥
タヨト自動車や野町証券は、まぁいいとしてだな、婆ちゃん団子本舗、便秘ドッカーン製薬、回転寿司爆発太郎・・・
いったい誰が選んだんだよ‥」
「いえ、それが首相も所属しておられる
政党の代議士先生の強い推しがありまして・・・」
「わ、我が党の?・・・」
中継
「はい、皆様、
この宇宙ロケットは、タヨト自動車、野町証券、
ばーちゃんだんごほんぽ、便秘ドッカーン製薬、回転寿司バクハツ太郎・・・他各社の御協賛によりまして、無事発射にこぎ着けました‥」
「それにしてもだ、少しは宇宙飛行士の気持ちにもなってみろよ。
ドッカーン‥バクハツ‥だぞ。
それが船体に大きく描かれているんだ。
しかも世界中に中継されてるんだ」
「い、一応‥日本語表記なんで‥」
「そ、そーゆー問題じゃないだろ!!!」
※1977年に封切られたハリウッド映画の
「カプリコン・1」とは何の関係もありません。
完
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