6/7発売【文春電書】文春文庫6月新刊&おすすめの既刊
電子書籍マーケティング部のTでございます。
梅雨入り間近、どんよりとした空模様、ジメジメとした日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
まずはおススメの既刊から。
先月発売、17年ぶりの「伊良部シリーズ」、奥田英朗さんの『コメンテーター』は売行き好調!重版もかかりました。ブランクを感じさせないくらい、面白い。ドクター伊良部はもちろん、看護師のマユミちゃんも健在。文庫ではないですが・・・。
既刊の『インザプール』、『空中ブランコ』(直木賞受賞作)、『町長選挙』も合わせていかがでしょうか。読み始めたら止まらないので、ご注意を!
もう一点はジェーン・スーさんの『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』。6月2日のNHK「あさイチ」出演は、普段、テレビにご出演されない生のスーさんを見られたと大きな反響がありました。本書も売上急上昇しております!
今月も前置きが長くなりましたが・・・。6月新刊をご紹介いたします。
佐伯泰英『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』
待望の書下ろし新シリーズ4巻連続刊行!
吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。
夢枕獏『陰陽師 水龍ノ巻』
大人気「陰陽師」シリーズ第17巻。
疫病を退散させる晴明の活躍を描く。青疱瘡の謎「野僮游光」、赤舞瘡の恐怖「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」、蟬丸の悲恋「蘇莫者」など傑作満載!
今回も晴明と博雅、そして作者もこよなく愛する蘆屋道満が大活躍します。
山口恵以子『写真館とコロッケ ゆうれい居酒屋3』
元気になれる! 大好評の「食と酒」シリーズ!
新小岩の路地裏にある居酒屋・米屋。 ここには、甘酸っぱい初恋やピリ辛の下積み時代、ほろ苦い嘘や挫折など、人生の喜怒哀楽にそっと寄り添い、あなたの背中を押してくれる美味しい料理とお酒があります。だけど、このお店には大きな秘密があって……。 売れっ子のDJや女将さんの亡夫の釣り仲間、写真館の主人などなど、きょうも米屋にはいろいろなお客さんが訪れます。 父と娘、母と息子、すれ違う想いや許されぬ恋、そして忘れられぬひと……素敵な出会いと切ない秘密、読めば必ず元気になれる、ちょっと不思議で温かい居酒屋物語、待望の第3弾。
あさのあつこ『舞風のごとく』
理想と現実のはざまで青年は成長する――好評シリーズ第三弾!
少年剣士たちの友情と成長を描く青春時代小説シリーズ。 小舞六万石が大火に見舞われた。山河豊かで災害も少ない土地で、城下の半分に迫る町が焼け落ちたことで、人々は混乱に陥る。 筆頭家老の後嗣である樫井透馬は、執政会議で一刻も早く救済策を講じることを主張するが、前例主義に凝り固まった藩の上層部は有効な策を講じることができない。 苛立ちが募る透馬は、少年の頃から剣を通じて身分を超えた友情をはぐくみ、今は側近として取り立てている新里正近、山坂半四郎と共に人々の救済に乗り出す。 一方で透馬たちが独自に動くうち、この大火事がただの失火ではないのではないか、という疑いが芽生える。 さらに藩政の主導権を巡る政争も巻き起こり……。 『火群のごとく』『飛雲のごとく』に続く第三弾にして、感動の完結篇!
あさのさんならではの、傑作少年時代小説シリーズです。既刊も一緒にお読みになるのはいかがでしょうか?第1作目が『火群のごとく』、第二作目が『飛雲のごとく』です。
澤田瞳子『駆け入りの寺』
第14回舟橋聖一文学賞受賞作‼
悩みを抱える人々が門を叩く、一風変わった駆け込み寺。
平穏で優雅に暮らす尼たちの元へ、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ若い娘……。雅やかで心に染み入る連作時代小説です。
伽古屋圭市 『クロワッサン学習塾』
元教員のパン屋さんが無料塾を開く!
教員をやめ、小学4年生の息子とふたり、 東京から地元に戻った黒羽三吾は、 父が営むパン屋で働きはじめる。 店で起きた万引き騒動をきっかけに、 ある少女と話をした三吾は、 彼女が学校の宿題で少し困っていることを知る。 かつての教え子の姿が心に浮かぶ三吾。 勉強を見てあげようか、と提案するのだが……。 さらに、息子の親友になった少年は、 自分も気づいていない、ある困難を抱えていた。 教員時代の後悔を胸に、人生の岐路に立つ三吾と、 学校や家で、ちょっと困ったことがあるのに、 言葉にできない子どもたちが、 「学ぶこと」の意味を探しながら成長する、 あたたかな物語。
永瀬隼介『逃亡遊戯 歌舞伎町麻薬捜査』
新宿署の凸凹コンビが活躍するド迫力の警察小説の第二弾。
伝説のカリスマ捜査官・桜井文雄の後を継ぎ、新宿署組織対策課に異動して歌舞伎町で命がけの麻薬捜査に取り組む若手刑事・高木誠之助。 高木は組織対策課のやり手主任・洲本栄とコンビを組み、時に鍔迫り合いを演じながら捜査に邁進する。 やがて二人は、宿敵ともいうべきテロリスト姉弟と再び相まみえることになる――。
本格警察エンターテインメントとして、高い評価を受けている歌舞伎町麻薬捜査シリーズ第1作はこちら!
波木銅『万事快調〈オール・グリーンズ〉』
新時代の才能が炸裂! 松本清張賞受賞作!
「弱冠21歳の現役大学生による松本清張賞受賞作」として 話題をさらった傑作青春小説が待望の文庫化‼ 主人公は北関東の“クソ田舎”の工業高校に通う朴秀美。 地元の閉塞感や機能不全を起こした家族に絶望し、 ヒップホップとSF小説を心の逃げ場としていた彼女は、 ある出来事を機に〈大麻の種〉を入手する。 これがあれば今の状況から逃げ出せるかもしれない――。 そう考えた朴は似たような境遇のクラスメイトたちと、 学校の屋上で大麻を育て売り捌く計画を始める。 はじめは順調に思えた彼女たちの“ビジネス”だが、 危険は静かに迫り――。 若さの衝動とセンス溢れるユーモアが炸裂する、 青春小説の新たなマスターピースが爆誕!
山本一力『ほかげ橋夕景〈新装版〉』
娘の祝言が決まった頃から、急に娘に冷たくなった父の心の内は‥?
火影橋の夕景を親子の絆に重ねてとびきりの人情譚を繰り広げる表題作ほか、親子の情、昔の恩人への想い、清水の次郎長晩年の心あたたまる逸話など、人情時代小説の粋を集めた全八編。 新装版刊行にあたって、カバーを一新します。解説は長宗我部友親氏。
中野京子『運命の絵 なぜ、ままならない』
争い、信じ、裏切る人々……刺激的な絵画エッセイ。
初々しい恋の始まり。 だが、この後まさかの嫁姑問題勃発――。
カバーを飾るのは、フランソワ・ジェラールの『プシュケとアモル』。 王の娘プシュケの美貌は天界にまで鳴り響き、美の女神ヴィーナスの怒りを買う。 女神は息子アモルに命じてプシュケを不幸の底へと落とそうとしたが、 アモルはたちまちプシュケに恋してしまい……。 「怖い絵」シリーズなどで大人気の絵画エッセイの名手が 西洋絵画に潜む人気ドラマを描き出す人気シリーズの第3弾。 知的でスリリングな刺激にみちた17篇を収録。 ダヴィッド『マラーの死』、ミケランジェロ『デルフォイの巫女』、 レンブラント『エマオの晩餐』、ドガ『ベレッリ家の肖像』、 ブリューゲル『悪女フリート』、ゴヤ『マドリード、1808年5月2日』など、 名画31点をすべてカラーで掲載。
佐藤愛子編著『愛子戦記 佐藤愛子の世界』
2023年11月でめでたく100歳を迎える作家・佐藤愛子の 魅力と情報が詰まった完全保存版!
<作家対談> 又吉直樹 小池真理子 田辺聖子 <直木賞受賞作> 直木賞選評 +「戦いすんで日が暮れて」全文掲載 + 受賞ドキュメント <自薦傑作小説+自作解説> 「ソクラテスの妻」 「オンバコのトク」 「沢村校長の晩年」 <交友録&グラビア> 遠藤周作・北杜夫・川上宗薫 <抱腹絶倒エッセイ> <生涯年譜> etc…
佐藤愛子の愛読者はもちろん、未読の人も楽しめる太鼓判の一冊。
是枝裕和『映画の生まれる場所で』
世界的名匠の目は、現場で何を見て、何を考えているのか?
『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞後、 主演にカトリーヌ・ドヌーヴを迎え、全編パリで撮影された映画『真実』。 日仏合作映画の製作は、予想外の困難と発見の連続だった──。 臨場感溢れる撮影日記、手紙、画コンテなど貴重な資料が満載の 単行本『こんな雨の日に~映画「真実」をめぐるいくつかのこと』を改題し、待望の文庫化。
若松英輔 山本芳久『キリスト教講義』
「罪」は元来、人が「的外れ」に生きることを指した? 「悪」は「善の欠如」か、より能動的なものか。キリスト者二人の刺激的対談です。
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
来月もお楽しみに!!