[作品紹介]爆走兄弟レッツ&ゴー考察①(無印編~SGJC前まで~)
ミニ四駆を題材にした作品である「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」がアニメ化25周年ということで、TAMIYAの公式YouTubeチャンネルでも、アニメが配信されています。ミニ四駆題材のアニメは他にも、「ダッシュ!四駆郎」等ありますが、私が小学校の頃は「レッツ&ゴー!!」の全盛期で毎週のようにアニメを見ていました。「レッツ&ゴー!!」のアニメは無印編→WGP編→MAX編と3年続きました。無印編の終盤に開催される全国大会であるスーパーグレートジャパンカップ(SGJC)の結果をもとに、WGP編(世界大会)の日本代表メンバー5人が選考されています。そこでSGJCの結果を考察したいのですが、その前に今回はSGJCに至るまでの無印編のストーリーを振り返ってみたいと思います。(展開のネタばれ注意です)。
無印編のストーリーは、星馬烈、星馬豪の兄弟を中心に、全国大会であるSGJCまでのレースの軌跡と、その中で敵対する大神博士のマシンとの戦いも描きます。SGJCに出場するためには、ウィンターレース、スプリングレース、サマーレース、オータムレースの4つの公式レースのどれかで3位以内に入賞する必要があります。烈と豪の操るマシンも、セイバー⇒Vマシン⇒サイクロン・ハリケーンとモデルチェンジしていきますので、それぞれのマシン期での公式レースの様子を振り返ります。
ーセイバー期ー
1話の時点では市販のアバンテを使っていた烈と豪。
↑ アバンテ時代
そのレースの様子で才能を感じた土屋博士から、2人はセイバーを授かります。以降はセイバーを改造して、烈はソニックセイバー、豪はマグナムセイバーでウィンターレース・スプリングレースに出場しています。
↑ ソニックセイバーとマグナムセイバー
ウィンターレース
地区予選と決勝戦に分かれて、地区予選の上位者が決勝戦に進出。烈豪はアバンテを使うまこと君と同じ予選レースに出場し、トラブルに見舞われつつも決勝レースに進出を果たします。
↑ 予選レースのスタート
↑ 予選レースのゴール
決勝戦ではまこと君に加え、烈豪同様に土屋博士から貰ったセイバーを改造したブラックセイバーを使う黒沢らが出場しています。コーナー重視の烈、ストレート重視の豪、堅実なレース運びのまことくん、ラフなレースを仕掛けてくるがセッティング技術は確かな黒沢。
レース終盤の強風セクションで、コースに落下してきた照明にまきこまれて黒沢はリタイヤ。烈豪もマシン故障に見舞われるものの、2台のパーツを組み合わせて2台を合体させて修理。照明の故障でレースが中断する中、豪がマシンに仕込んでいたフロントライトで、他のマシンを導き先頭でゴール。しかし、2台のマシンを合体させたことで烈豪はリタイヤとなってしまいます。繰り上げでちゃっかり優勝はまことくんでした。2位3位のモブキャラもいるはずですが、その後の登場はありませんでした。
照明の落下は実際はシャレにならないレベルなので、現実ならレース中止でしょうが、アニメの世界なのでそんな突っ込みは野暮ということで(笑)。以降もっと、はちゃめちゃな展開も出てきますが、それが気にならないくらいワクワクするのがレッツ&ゴーの魅力でもあります。
↑ まことくん
↑ 黒沢とブラックセイバー
↑ 合体セイバー
ウィンターレースのリザルト
1位:こひろまこと@アバンテ2001Jr.
2位:不明
3位:不明
スプリングレース
ライバルレーサーも増え、まこと、黒沢に加え、新たなライバルの三国藤吉@スピンアックス、鷹羽リョウ@トライダガーXも出場します。加えてセイバーが市販化されたということで、まことのマシンもセイバーをベースにしたセイロクスペシャルに、黒沢のブラックセイバーをベースしたマシンを使う黒沢軍団も出場しています。
↑ レース会場
↑ トライダガーXとスピンアックス
閑話休題。。。
スプリングレースは全国大会のSGJCの予選です。列豪が住んでる地域以外の大会はどうなってるのかなー、なんて思ったりしますが、SGJCには烈豪が出場したレースのメンバーしか出ていないので、無印アニメの世界観では他の地域の大会はないようです。一方続編のMAX編では、主人公の豪樹が別の地域の大会に出る描写があり、そのあたりの矛盾は改善されています。個人的にはキャラやレース展開は無印・WGP編が好きですが、日常パートや、こうしたミニ四駆関連以外の細かい世界観はMAX編が好きだったりします。
さてスプリングレースのレース展開ですが、まことくん、藤吉は黒沢軍団とのバトル展開でリタイヤ。黒沢のブラックセイバーは、終盤のコース幅が狭い上り坂セクションで、後ろからソニックを攻撃しようとした際に、ノコギリローラーがコース幅につっかえてコースが破損しリタイヤ。烈豪は宙ぶらりんになった上り坂コースに取り残されてしまいます。何とか、烈のソニックが持ち前のトルクで、豪のマグナムを押し上げてセクションをクリアするものの、ソニックはモーターが焼き切れてリタイヤ。残ったのは先にセクションをクリアしたリョウと、豪の2人になります。
↑ 上り坂セクション
↑ マグナムを押し上げるソニック
↑ ソニックはリタイヤ
リョウは、完全勝利を収めたいと、トラブルに見舞われた豪を待っていました。仕切り直しでリスタートする2人。安定性に欠く豪は、リョウに引き離されていきますが、豪は必殺技のマグナムトルネードをが発動。ヘアピンカーブセクションをショートカットし、逆転優勝を飾るのでした。
↑ リスタートするリョウと豪
↑ マグナムトルネード
レッツ&ゴーは、子供向けアニメなので、細かい描写の矛盾は自身の頭の中で自己補完することにしています。実際は、トラブルで大差がついてしまった豪が必殺技で大逆転する、という展開の方がタイム差等の面では自然だと思いますが、キャラ同士の掛け合いや友情に重きを向いている作品なので、アニメのこの展開なんだろうなと思います。細かいことを言い出すと、マグナムトルネードなんて無理だろって話になっちゃいますので。。。
スプリングレースのリザルト
1位:星馬豪@マグナムセイバー
2位:鷹羽リョウ@トライダガーX
3位:リタイヤ ⇒ 星馬烈@ソニックセイバー(敗者復活レース優勝)
完走者が2名だけだったため、その後行われた敗者復活レースで優勝した烈が3位となり、3名がSGJCの出場権を獲得。ウィンターレースと合わせて、烈・豪・リョウ・まことの4人が出場権を得たことになります(ウィンターレースの2位3位はなぜかSGJC不出場)。
敗者復活レースは、スプリングレースの派手なレース展開とは打って変わって、派手な仕掛けはなしの周回レース。しかし私は、このレースが全体で1・2を争うほど好きです。弟である豪に先を越され葛藤する烈と、それを見抜きさりげなくフォローする父。現実世界を意識したコンマ数秒を争うシビアな予選レース。藤吉とのコーナー重視マシン同士の争いなど。この後も、バトルレースや派手なレース展開が続くからこそ、現実世界の「ありそう」感を絶妙に描いたこのレースが輝いていますので、是非見てほしいと思います。
↑ まことくんは予選落ち
↑ ソニックのオーバーテイクシーン
↑ ラストに逆転するソニック
ーVマシン期ー
次のサマーレースまでの間に、烈・豪・藤吉のマシンはモデルチェンジします。烈・豪は大神博士の元のレーサーであるJのプロトセイバーJBとの戦いに敗れ、マシンが溶岩で溶けてしまいます(危なすぎるだろ、という突っ込みはなしで)。
その後、土屋博士が開発したVマシンである、ビクトリーマグナム(Vマグナム)とバンガードソニック(Vソニック)で、と藤吉主催の藤吉カップでプロトセイバーJBに勝ち、Jはレースを通じて改心し烈・豪たちの仲間となります。セイバー時代の古いモーターを使って、Vマシンにセイバーの思いを伝えるシーンは子供ながらに印象深かったです。
↑ 終盤の追い上げ
↑ ラストストレート
サマーレース
烈、豪、リョウ、藤吉、まこと、黒沢の他にも、リョウの弟の二郎丸、藤吉の妹のチイ子、烈豪の幼馴染のジュンも出場。大神陣営としては、プロトセイバーを量産したプロトセイバー戦隊、ビークスパイダーを使う沖田カイが出場します。ちなみに黒沢は、サマーレース前のカイとの戦いを通じて、以前のようなラフなレースは封印、以降は烈豪たちの仲間としてレースに参戦します。
サマーレースは、豪華客船内で行う決勝レースと、豪華客船出航までのタイムアタックでの予選レースに分けて実施します。
予選レースは天候が悪化し、途中から雨の中でのレース。天気を読んでレインタイヤを装着していた烈がトップに立ちます。
↑ レインタイヤの貴公子、烈
しかし、雷による倒木がコースを塞ぎ烈は立ち往生。カイのビークスパイダーは武器である「空気の刃」で木を切り裂き、逆転して1位で予選突破しました(後続の、後続のブロッケンG、レイスティンガーと比べても、武器が凶悪すぎる気はしますが(笑))。
↑ 木を切り裂くビークスパイダー
烈やリョウたちも出航には間に合い無事予選通過。一方、豪は、ビークスパイダー対策でボディにつけた装甲版がタイヤと接触したことでタイムロスするも、最後はマグナムトルネードで出航ぎりぎりで予選通過しました。
↑ ビクトリーマグナムトルネード
決勝レースでは、ビークスパイダーが船内でバトルレースを展開。空気の刃で船内の燃料に引火し火災まで発生し、次々とマシンがリタイヤする中、残ったのはカイ、リョウ、豪の3人のみ。カイのビークスパイダーがマグナムを切り裂こうとしたそのとき、リョウのトライダガーXが庇って割って入り真っ二つになってしまいます。はじかれたマグナムも燃え盛る船内の中へ。満足したカイは、悠々と1位でゴール。一方、消火した船内から見つかったマグナムは何とか走れる状態だっため、レースに復帰しなんとか2位で完走する豪。以降、大神マシンとのバトル展開が強まっていきます。
↑ トライダガーが切り裂かれる
↑ 満身創痍で完走するマグナム
サマーレースのリザルト
1位:沖田カイ@ビークスパイダー
2位:星馬豪@ビクトリーマグナム
3位:リタイヤ
#スプリングレースのような敗者復活レースは行われませんでした
ーサイクロン・ハリケーン期ー
サマーレース以降には、リョウの新マシンとしての復活(トライダガーZMC)、大神の新マシンであるレイスティンガーによるVマグナムの破壊と新マシンの開発(サイクロンマグナム)があります。一方で、Vソニックが次世代機であるハリケーンソニックに変わるのは、オータムレース後ですが、この時代は便宜上「サイクロン・ハリケーン期」とします。
オータムレース
オータムレースには、いつもの土屋陣営のメンバーが参戦する反面、リョウは弟の二郎丸のサポートを優先して欠場。大神陣営からは、SGJCに送り込むため、近藤ゲン@ブロッケンG、土方レイ@レイスティンガーを送り込まれます。
新マシンのサイクロンマグナムはこのレースがデビュー戦。序盤はスピードに乗らないものの、一度加速し始めると他のマシンをごぼう抜きにする圧倒的性能を見せます。一方、バトルレースを繰り広げつつも、主力マシンは生き残り、迎えたラストストレート。最後尾から次々とマシンを破壊するブロッケンGとレイスティンガー(マシン破壊してないで、ささっと先にいけば優勝じゃね?という突っ込みは野暮ということで)。
ブロッケンGは藤吉のスピンコブラに攻撃をしかけようとした際に、庇いに入ったブラックセイバーと相打ち。レイスティンガーは武器のZMC素材(注:トライダガーZMCのボディに使われる超固い架空の素材です)の槍が、二郎丸のマシンから抜けなくなってしまいそのまま走行する羽目に。マグナムはボディ強度不足でひっくり返ってしまいますが、他のマシンに弾かれた勢いでゴールへ向かいます。
最後は、レイ、レイのマシンに刺さった状態の二郎丸、藤吉、ひっくりかえった豪の4台で横一列でゴールしました。
↑ 最高速のサイクロンマグナム
↑ スピンコブラと庇うブラックセイバー
↑ 4台競った状態でゴール
オータムレースのリザルト
1位:鷹羽二郎丸@二郎丸スペシャル
2位:土方レイ@レイスティンガー
3位:三国藤吉@スピンコブラ
(4位:星馬豪@サイクロンマグナム)
参考)ビックチャレンジ
オータムレースで3位入賞できなかったブロッケンGをSGJCに送り込むため、大神博士の働きかけで急遽開催されたレース。このレースでは、Jが新マシンを開発しレーサーとして復活。大神博士が自陣営として、アメリカチャンプでJの姉であるRを招待します。ブロッケンGはなんとか3位でSGJCの出場権を獲得。しかし結果的には、J、黒沢の土屋陣営のマシンも出場権を得る結果となりました。
↑ トップ争いのJとR
↑ 3位争いの黒沢とゲン
ビックチャレンジのリザルト
1位:J@プロトセイバーEVO
2位:R@ドラゴンデルタ
3位:黒沢太@ブラックセイバー
3位:近藤ゲン@ブロッケンG
#3位は同着
まとめ
公式大会の結果を通した、SGJCの出場資格獲得者は以下の12人になります。
スーパーグレートジャパンカップ(SGJC)の出場者権獲得者
土屋陣営(8人)
・星馬烈
・星馬豪
・鷹羽リョウ
・三国藤吉
・J
・黒沢太
・鷹羽二郎丸
・こひろまこと
大神陣営(4人)
・土方レイ
・近藤ゲン
・沖田カイ
・R
以上の12人で全国大会であるSGJCを戦うことになり、その結果を踏まえて次回作の日本代表メンバーが選出されることになりますが、次回でその結果とプロセスの考察をしてみたいと思います。