(必ずわかる!)金利と株価の関係
必ずわかる!シリーズ第2回は金利と株価の関係について書きます。
まず、単純な話をすると、
金利が上がると企業の調達金利にも影響が及びます。
それにより、借入に係る支払利息が増え、利益が圧迫されます。
利益が圧迫されるので通常、株価は下方向へと動きます。
これが一般的に言われている金利と株価の関係かと思います。
これで話が終わるとつまらないので(笑)もう少し話をします。
さて、株価はどのように決まると思いますか?
業績ですか?
将来への期待ですか?
正解としては、それら全てです。
式に表すとこうなります。
株価=EPS(一株あたり利益)×
PER(株価収益率)
分解しますと、
EPS=当期純利益(売上からコスト、税金などを引いた純粋な利益)÷発行済株式総数
PER=株価÷一株あたり当期純利益
(PERとは一株あたりの当期純利益の何倍で株が取引されているかを表した指標です。
平易な言い方をすれば、この倍率が高い銘柄の場合、今、企業が出しうる利益以上に株が買われているということですから、銘柄に対する期待が高いともいえます。)
つまり、EPSが例えば100円、PERが20倍だとすると理論株価は2,000円となります。
ここに、さらなる成長期待(新技術、新商品の発表とか)やそれに伴う需給、ファンダメンタルズなどにより実際の株価が決まるわけですが、ここでは無視します。
企業価値はどう決まる?
例えば上記のような毎年1億円の利益を出す企業があったとします。
この企業が将来にわたって生み出す利益の総和を現在価値に換算することで決まります。
毎年1億円の利益を生み出す企業の利益の総和は無限大です。(企業が永続するとしたら)
しかし、10年後の1億と今日の1億とでは価値が違います。
よって、将来の1億円を現在価値に割引く必要があります。
「割引現在価値」という考え方です。
なぜ今日の1億と10年後の1億の価値が違うのか。
ここで金利の話が出てきます。
(問)金利が年1%である場合、10年後に1億円にするためには今いくら必要になりますか。
FP試験で出てくる、現価係数を用いた計算になります。
※現価係数は「必要元本計算表」とも言われ、早見表がありますのでググってみてください。
(答)1億×0.9053(現価係数)=9,053万円
9,053万円を年利1%で10年運用したら1億になるわけですから、
金利1%下の10年後の1億円は今日の9,053万円の価値と同じです。
では、これが金利10%になるとどうなるでしょうか。
1億×0.3855(現価係数)=3,855万円
金利が10%になれば3,855万円あれば10年で億れるわけです。
ゆえに、
金利が上がるほど、現在価値が下がる
ことがわかります。
これが、今日の1億と10年後の1億の価値が違うといったことの理由です。
よく言われる、「金利と株価はシーソーのような関係である」ということがご理解いただけると思います。
金利が上がれば現在価値が下がります。
現在価値が下がれば株価も下がります。
金利と株価の関係、いかがだったでしょうか。
皆さんのモヤっとが晴れる機会を提供できたなら嬉しく思います。
あざした。