本日の「世迷言」──成人の日に
成人の日を迎えたみなさん、おめでとう。
今日と言う日は、飲酒などの悪弊を手にする日でも、政治家の人気投票権を手にする日でも、自分のことは自分で決めることができるという万能の幻想剣を手にする日などではなく、今日まで君らが命を永らえたこと、それに多少なりとも寄与した人びとに感謝する日である。
そして今日からは、まんまと育った君たちを消費しようと狙う「オトナ」たちとの戦いが始まるのだ。健闘を祈る。
きみたちの門出に丸山健二氏の次の言葉を贈ろう。
何はともあれ、生き延びること自体に価値があり、命に果たすべき役割があるとすればそれ以外にはあり得ない
『るりはこべ』(講談社 2001)より
成功も栄華も没落も享楽も、すべては生きているついでだ。
[2023.1.9. ぶんろく]