『サタデー・ナイト・フィーバー /ディレクターズカット・4Kデジタルリマスター版』【映画レビュー】
★★★★☆
鑑賞日:2022年4月9日
劇場:MOVIX三好
「歩き方を見ればわかるだろ。 女が求める男さ。」
ビージーズの名曲「ステイン・アライブ」をバックに颯爽と街を歩くトニー=トラボルタ、それだけでカッコいい。
1977年公開、リアルタイムで観ていない。
のちに来る80年代ダンス映画ブームを受けてレンタルビデオで観た。今回「ディレクターズカット・4Kデジタルリマスター版」である。初見から30数年の時を経て今何を想うか、観てみた。
ミュージカル映画ではない。突然唄ったり、踊ったりはしない。
ダンスばかりが取り上げられるが、ストーリーはシビアであり、当時の若者の未熟さ、苦悩、葛藤、ブルックリンとマンハッタンの格差あり、家族の問題あり、人種差別あり、ジェンダーなし。気分の悪くなるシーンもある。
挫折の先に見えるものは何なのか。良くも悪くも時代を反映した青春映画だ。土曜の夜だけキングになる。盛り上がるフィーバーではなく病んで発熱するFEVERなのだ。
ビージーズの曲に乗せて踊るトラボルタは必見。ダンスが上手くてカッコいい。昨今の進化したダンスと比べると流石に古さは感じるが、「クラブ」ではなく「ディスコ」なのだ。若いエネルギーが駄々洩れである。
サントラも名曲ばかり。ビージーズの「How Deeps Is Your Love」が染みる。公開から45年、改めて映画史に残る作品と思った。
トニーの部屋の壁に貼ってある、アル・パチーノとファラ・フォーセット、ブルース・リーと映画『ロッキー』のポスターが70年代ティーンの憧れを物語っていた。
因みに5年後のトニーを描いた続編『ステイン・アライブ』の監督は、ロッキーことスタローンであった。こちらもテイストは全然違っているが、面白い(が、クセが強めで好みが分かれるかも)
関連映画ちょいレビュー
■『ステイン・アライブ』(1983)監督:シルヴェスター・スタローン
ラスト15分圧巻のダンスは必見!
★★★☆☆
■『グリース』(1978)監督:ランダル・クレイザー
学園ミュージカル映画。全員高校生には見えないが、歌とダンスがひたすら楽しい。
淀川長治の日曜洋画劇場を録画して、何度も観た。オリビア・ニュートン=ジョンとトラボルタのカップル最高。アルバムも最高。頭を空っぽにして楽しみたい。
★★★★★
■『パルプ・フィクション』(1994)でのトラボルタの復活ダンスは感動した。
次は『フラッシュダンス/4Kデジタルリマスター版』観てみたい。
(text by 電気羊の夢を見た)