特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集③『チャレンジャーズ』フィジカルでプリミティブでフェティッシュなテニス映画
監 督: ルカ・グァダニーノ
出 演: ゼンデイヤ
ジョシュ・オコナー
マイク・ファイスト
公 開:2024年6月7日 日本公開
ルカ・グァダニーノがテニスの映画を撮るという。
グァダニーノがテニス?
スポーツ映画?
なんだそれは。
果たして、できあがった映画は冒頭からテニスをしまくる正真正銘のテニス映画であった。
が、それは勿論グァダニーノのこと、テニスはテニスなのだが、ただのテニス映画ではない。
汗水たらして躍動する溌剌としたスポコン映画ではない。いや、汗も水もたらしまくってはいるのだが。
この映画におけるテニスは登場人物たちのステージであり、直接的な関係性のメタファーであり、テーマそのものである。
上映時間131分中ずーーと楽しい。
異常なアングルのテニスシーン、ひたすらイチャつく女と男または男と男と女あるいは男と男。
音楽も最高だ。
ここ一連のフィンチャー作品で大活躍、最近ではディズニーの『ソウルフル・ワールド』でオスカー作曲賞を受賞、トレント・レズナーとアッティカス・ロスの名コンビがバッキバキでブリブリな劇伴で盛り上げまくる。
そして、そして
最高のエンディングが待ち構えている。
最後の決戦
やるのか、倒すのか、勝つのか勝たせようとするのか
ラリーの応酬
打つ返す打つ返す打つ返す
2人の距離が、いや3人か
どんどん近くなっていく
打つ返す打つ返す打つ返す
どうなるどうする、幕引きが、決着が、
そして、遂に、文字通り一線を越える
ガモーーンンンン
私はゼンデイア演じる主人公と一心同体に
絶頂に到達した
完
(text by President TRM)