『ガンパウダー・ミルクシェイク』【映画レビュー】
★★★☆☆
鑑賞日:2022年3月20日
劇場:ミッドランド名古屋空港
「ダイナー(飲食店)は、どうして銃持ち込み禁止なんだろう?」
「ネオンと音楽でオシャレな1950~60年代のアメリカを思わせる町で、登場人物はケータイ(しかもガラケー)でしゃべり、音楽はカセットテープで聴く。時代がごちゃまぜだ。」
「風格のある立派な図書館は、図書館として機能しているのだろうか?」
細かい設定やデティールよりも面白さが優先される世界だ。少ない説明の中で現実離れした殺し屋の世界観を理解させてゆく。
痛快、派手で面白い。コミカルなシーンやバカバカしい場面、面白いアクションのアイデアも豊富だ。頭を空っぽにして楽しめる。
それでいて、本作には力強いメッセージもある。世代の違う女達が協力し合い、社会と戦い続けた女性達の思想を武器(彼女達の本の中に保管されている)に変え、男中心の社会と戦っているのだ。このテーマとメッセージ性があるからエンタメだけじゃない、オリジナリティあふれる映画になっている。
ジェンダーの問題とか人種差別の問題とか現実では、簡単に突破出来ない問題をフィクションでは、痛快に突破出来ることを示した映画でもある。
(Text by NARDAM)