見出し画像

それはさておき……

珈琲と全然関係ない、oitomaの思い出話をさせていただきます。

私が通っていた高校の地理の先生は、とてもユニークなおじさんで、自分の授業をほったらかして、『十五少年漂流記』や『海底2万里』などジュール・ヴェルヌ作品の面白さについて数週間かけて熱弁するような先生でした。

先生は、定期試験の時に、色鉛筆を持ってこさせました。それで、「世界地図を描け」という問題を解かせるんですね。
地形を精確に描くことは勿論大事なのですが、そんなことよりも、太陽や空を描き、鳥とか気球なんかを描き、海の波を荒々しく際立たせ、宝島のような地図を描いたら、プラスαの点数が貰えるんです。
別に日本を真ん中に描く必要もありません。自由な発想でエモい地図を描けば描くほど評価が高くなったんだと思います。

また、先生が若かりし頃に旅をした時の話を臨場感たっぷりに(数週間かけて)話してくれたのも、面白くて印象に残っています。

モンゴルとか、新疆ウイグル自治区とか、果てはナウル(先生は「ナウルゥ〜↑」と発音しました)とかバヌアツ(「バナトゥ〜↑」)とか、普通ならなかなか行かないような国・地域の環境の話、食事の話、民族の話などが聴けるのが面白かったものです。

私も海外の旅が好きで、学生時代はインドとかモロッコとかに行ったものですが、そのマインドの原点には、もしかしたら地理の先生の、授業そっちのけの紀行話があったんじゃないか、と思います。

大学入試の直前の授業では、生徒を激励する意味でしょうか。
「もし、入試問題で自分が知らないことを聞かれたら、『それはさておき……、』と書いて、自分が好きなことについて熱弁すればいい」という無茶苦茶なことを言ってたのを記憶しています。

「それはさておき、……」で、大学に受かるんなら、人生はちょろいもんです。
私は、二浪しました。

#oitoma
#coffee
#珈琲

2022.10.29改

【追記2024.1.22】
変な先生が多い学校だった。生徒も自由な人が多かった。せっかく自由な学校に通っているんだから、自由な生き方に目覚めて、有意義な10代を過ごせば良かったのに、ぼんやりと無為に生きてしまったと思う。良くも悪くも、守られてたなって思う。

いいなと思ったら応援しよう!