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ニューヨークでの静かな夜に想うこと。

今、久しぶりに幸せを噛み締めている。
冬休みに入って、ニューヨークに住んでいる友人の家を訪ねているのだが、今日はまる一日、ほとんど一人で静かな時間を過ごすことができている。


アメリカに渡ってから三年目。ほとんど一人になったことがない。ハウスメイトがいて、騒音があって、一人部屋があっても常に誰かの音があってなかなか一人になれた気がしない。メイン州に引っ越してからは、そのストレスが急激に増えたような気がする。人との距離がもっと近くなって、騒音の音も増えた。どんどん心に余裕がなくなって、「誰も話しかけてこないで。」と思う日々が増えた。素直に苦しかった。


大人同士なのでハウスメイトともそこそこ上手くやっているが、やはり毎日一緒にはいられない。「ああ、もう限界だ。」というところまで来ていた。最近、これまで感じたことのないホームシックにかかり、気がつけば泣いている。人から、音から、仕事から、自分の人生から、進んでゆく時間から、もう全てから逃げ出したくてたまらない。オミクロンが深刻な状況になる中、私には逃げ場もなく、堰(せき)を切ったようにニューヨークに逃げ込んだ。そして、たった一日だけ、こうした平穏な夜を手に入れたのだ。

寒い冬に、程よく暖房のきいた暖かな部屋の中で韓国ドラマ「Reply 1988」を流しながら、白湯と大好きなチーズケーキを手元に一人だけの時間を噛み締めている。今、すごく、すごく、幸せだ。

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