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逞しい女性像

右肩に磯桶を下げ、左手に磯ノミを持ち、すっと立つ、素潜り漁をする「海女」を題材に女性が持つしなやかな美しさを表現した作品です。

健康的でメリハリがある人体造形をしていますが、写実的な表現を追求せず、長沼孝三先生の作品にみられる丸みを帯びた作風で仕上げることで、柔らかみを感じつつも、生き抜こうとしている逞しさを感じるものとなっています。

「海女」1966年 ブロンズ

特筆すべきは、自信にあふれ、凛々しい顔つきで、真っ直ぐに彼方を見つめる表情。

モデルになった女性の芯の強さが伝わってきます。

また、磯メガネ、磯ノミ、磯桶などの道具の頭に巻いた手ぬぐいの形まで、ディテールにこだわって造形されていることから、身につけている一点一点を、つぶさに観察していることが分かります。題材に対する愛情と、真摯に向き合う長沼先生の姿勢が垣間見える作品です。

これからの時代、ますます女性が活躍していくであろうことに、長沼孝三先生は「海女」に見出したのかもしれないですね。


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