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ノベルメディア『文活』参加作家紹介③:北木鉄さん
読者の生活に、月にいちど物語をおとどけする文芸誌『文活』。参加作家紹介の3人目は北木鉄さんです!
※文活とは
noteの小説家たちで、毎月小説を持ち寄ってつくる文芸誌です。生活のなかの一幕を小説にして、おとどけします。価格は390円。コーヒー1杯ぶんの値段でおたのしみいただけます。詳細は以下の紹介記事をご覧ください。
https://note.com/bunkatsu/n/n16565e0a2b10
大学に在学する傍ら、作家として活動している北木鉄さん。noteやTwitterで、精力的に作品を発表しつづけています。
北木鉄さんの作品の魅力は、文章から、ぎらぎらと放たれる「強さ」です。
彼女は、街と共に歩いていた。一人じゃなかった。そういう人はこの街にたくさんいる。うまく言えないが、身体を線で縁取られていないのだ。(『罠』より)
彼女は鉄格子を一本一本撫でた後、お気に入りの黒いワンピースを来て、僕の好きな香水を一振りすると檻の中に小さく座った。(『檻』より)
一文一文がある種の圧迫感を放っていて、読んでいるとまるで頭を揺さぶられるよう。モチーフとして抽象化された物体やエピソード、キャラクターは、北木さんから読者への、解釈の挑戦状のようにも感じますね。
過去のおすすめ作品
作品の「強さ」が演出する、唯一無二の読書体験。それを得られるような過去のおすすめ作品を、以下にピックアップしてみました。
文活に先駆けて、ぜひ読んでみてくださいね。
✎ おすすめ作品①『オオカミはおなかをちゃんとあたためて寝る』改作
オオカミに育てられている「僕」の目線から家族模様が描かれている作品です。オオカミの「父」への憧憬、愛情、すこしの恐れ。種族のあいだにいる「僕」だからこそ捉えられる、人間の輪郭。それらが、堂々とした父と繊細な僕の会話の中で、しずかにながれていきます。
✎ おすすめ作品②『 罠 』
電柱の影、マンホールの下、歩道と車道の分かれ目。街のありとあらゆるところに「罠」がしかけられている世界。主人公の「僕」は、その街を"風景との境界線を作らないで"あるいていく年上の女性と出会います。「罠」や街との折り合いをつける「僕」の様子が印象的な、すこし不思議な設定の小説作品です。
北木鉄さんからのコメント
北木鉄さんから、読者のみなさんへのコメントをいただいています!
北木鉄と申します。人間同士の共感が良しとされる世の中ですが、共感を必要としない感情を持っているのも人間ではないでしょうか。その感情は嘘じゃないぜ、という気持ちを込めた文章を書いていきたいと思っております。そしてそれを、共感ともまた違った角度から頷いてくださる方がいたら幸いです。『文活』という企画が始まるのは、日々に小説を求めている人びとがいるからこそのことです。この駄文を読んでくださっているあなたもその一人です。それが何よりも嬉しく思います。長々と述べている割りに、私には誰かの生活を救う力はありません。が、『文活』を通して、誰かが生活というものを少し好きになれるような瞬間をもたらすことができれば、もっと幸いです。
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以上、参加作家紹介で、北木鉄さんでした!文活創刊号の刊行までは【あと4日】。ぜひぜひおたのしみに!
※文活は以下の購入ボタンから定期購読いただけます。
※この下はオマケです!12月の創刊号に掲載される、北木鉄さんの小説の冒頭を公開しています…!
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