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【文活6月号ライナーノーツ】雪柳あうこ「やすみじかん」

この記事は、文活マガジンをご購読している方への特典としてご用意したライナーノーツ(作品解説)です。ご購読されていない方にも一部公開しています。ぜひ作品をお読みになってから、当記事をおたのしみくださいませ。

文活のご愛読、ありがとうございます。雪柳あうこです。
前回は2月にライナーノーツを書かせていただきましたが、早いもので随分と季節も巡りましたね。今回は6月とのことで、梅雨の気配のするお話にしてみました。お楽しみいただけましたら幸いです。

それでは今回のお品書きです。

■「やすむ」ことは案外難しい?

突然の私事ではありますが。ーー実はこの春、転職しました。

長年いた職場を離れ、新しい場所へ。
転職も何度か経験があるので、マイペースでも手探りでも、ゆっくり慣れていけるだろうと思っていました。

が、しかし。

オンライン併用のご時世、新たな環境に際して、なかなか思うように行かないことが多発。仕事の内容だけでなく、ローカルルールなど含め、何がわからないかもわからない状況。新たな人間関係の構築も、今まで通りのやり方では難しいことも。
そしてさらにGW前の緊急事態宣言で、心の支えにしていた娯楽も一気に吹き飛び。

そんなこんなで、5月の連休になだれ込んだときには、息も絶え絶え……という感じでした。

まずはステイホームで数日のんびりしてみたものの。なかなかリラックスできていない自分に気づきました。
緊張感の連続の一か月に加えて、緊急事態宣言で楽しみにしていたイベントなども一気に消えて、自分にとっての「休む」という感覚につながっていないように感じたのです。

ーー休んでいるはずなのに、休めていない。

身も心も芯から「やすむ」って、置かれている環境や状況次第では、案外難しいことなのかもしれない。
それがこの春、体感したことでした。

四月は文活を含めた執筆活動も少し休んでいましたが、復帰時の執筆テーマに「やすむ」のご依頼。自分自身に問いかけられているような気がしました。

そこで今回は、色んな角度から「やすむ」ということを楽しみながら満喫してみようと、思い立ったのでした。
いつもやっていることはあえて「やすんで」みよう、そういう回もあっていいんじゃないかと。
というわけで、今回はあちこちに「やすむ」ということを意図的にちりばめて執筆してみました。

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