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【文活2月号ライナーノーツ】左頬にほくろ「世界のすべては3.24㎡」


初めましての方も、知ってくださっている方も、
こんにちは。左頬にほくろです。

普段noteでは、愛するテレビドラマの話や家族のこと、ときどき掌編小説など、基本的に何でもない話を書いています。わたしの心からぽろっとこぼれた言葉が周り回っていつか誰かに届くことがあれば幸せだな、と願いながら「こぼれたようなもの」を綴ることがささやかなモットーです。
ちなみにですが、左頬にほくろがあります。


さて今回は、今月号の文活に寄稿させていただいた「世界のすべては3.24㎡」のライナーノーツということで。こういった制作裏話のようなものを書くのははじめてなので、ちょっとそわそわしています。嬉し恥ずかしですね。こちらを読んでいただいてから小説を読むのも良し、一度読んでから戻ってきていただくのも良し。お時間を頂戴した皆様のちいさな愉しみになれば幸いです。

ライナーノーツ:「世界のすべては3.24㎡」
ー 猫のようなその子は ー

・小春ちゃんが落ちてきた


毎月、文活ではあるタイミングを迎えると各作家に来月号のテーマが知らされます。これは今月号のテーマ「すてる」に限らずなのですが、テーマをいただいた際にはまず辞書でその単語に関連する言葉(たとえば「すてる」なら捨てる/棄てる/取捨/棄却/ など)を一通り引いたあと、スマホのメモに連想ゲームみたく思い浮かんだ単語をぶわぁっと並べていきながら、物語のインスピレーションの欠片を掴み取りつつ全体像を徐々に構築していっています。

そんな中で、今月の「すてる」は前月号で偶然にも断捨離の話を書いてしまった手前(内心めちゃくちゃ焦りました。笑)、モノではなくひとにまつわる話にしよう、と決めていたのが大前提でして。メモに並んでいたポイ捨て、ゴミ捨て、などの単語を眺めていると「捨てられたい女」というイメージがふわっと浮かび、その女の子の名前は「小春ちゃん」だ、ということまでがひと息に決まりました。毎月、この瞬間に一番心躍ります。


・そして、人生が動き出す

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2,652字
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