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【文活2月号ライナーノーツ】雪柳あうこ「すててしまおう」

こんにちは、あるいは初めまして。雪柳あうこです。
「文活」のご愛読ありがとうございます。1号、2号、3号、それぞれ多彩なマガジンとなりましたが、あなたのお気に入りは見つかりましたか?

今回は、読んで下さるあなたへ、わたしからのお手紙のつもりで。
普段あまり語ることのない作品のこと、雪柳あうこの創作回路の一部を、少しだけ。
よろしければどうぞ一時、お付き合い下さいませ。

お品書き
・ことばの「やりとり」が好きすぎて
・「縛られたい」タイプです
・「すててしまおう」の作り方

■ことばの「やりとり」が好きすぎて

最近は手書きの機会もずいぶん減りましたが。これを読んで下さっているあなたは、手紙や私的なメールなど、ことばでの「やりとり」を多くする方ですか?

わたしはそうしたやりとりを、とてもよくするタイプでした。
でも、それらがあまり得意でなく、嫌いでもありました。
なぜって、自他に読めないようなミミズ字のわたしは、子どもの頃から字が汚いのがとにかくコンプレックスだったのです。

けれど、中学校の頃。友だちと、ひょんなことからリレー小説をはじめました。
内容は黒歴史に分類されるものではありますが(苦笑)、文字を書くことへのコンプレックスよりも、ストーリーの面白さや友達がどんなことを書いてきてくれるのか、そして渡されたものをどう返すか、の楽しさが勝るようになり。授業中も帰宅後もずっと、ものを書く楽しさだけでなく、小説やそれに関わるやりとりを行う楽しさに夢中で。
そういうものたちがいつしか、ことばのやりとり」が好きなわたしへと育ててくれました。

今でも、創作の原動力の中には、そうしたやりとりが息づいていると思っています。

いつかそういう、ことばの「やりとり」をテーマにした小説を書きたいなぁと。
そんなことを思っていた時にちょうど文活のお誘いをいただき、「手紙」をテーマにした連作をしてみようと思ったのです。


■「縛られたい」タイプです

わたしの『文活』1~3号の作品は、すべて同一の登場人物たちの世界による【連作】です。
あえて縛っています。自縄自縛のわたし。

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974字
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