平和、平和、平和
※文化時報2023年11月3日号掲載の社説です。
岸田文雄首相は10月23日の臨時国会で所信表明演説を行った。昨年秋の所信表明演説も批判されたが、それ以上にひどい内容だったと言わざるを得ない。
とりわけ岸田首相が「経済、経済、経済」と連呼したことは酷評された。朝日新聞は翌24日付2面(大阪本社発行版)で「『経済』三唱 首相空回り」との見出しを付け、「政策の推進力が弱まる首相に与党内で冷めた視線が注がれている」と伝えた。
一般紙の報道によれば、政府は所得税などを1人当たり年4万円差し引く定額減税を検討しており、ここ2年間で増えた税収を還元するという。
だが、そうした方針は所信表明演説に盛り込まれなかった。「何よりも経済に重点を置いていく」との言葉とは裏腹に、どのような経済政策を行うのかがすっぽり抜け落ち、「コストカット型経済」から「成長型経済」への変革、などという抽象的な言葉が並んだ。「岸田首相は何をやりたいのか分からない」と言われてしまうゆえんだろう。
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