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【西日本豪雨七回忌】デニム作務衣を金剛峯寺に奉納

※文化時報2024年7月9日号の掲載記事です。

 2018(平成30)年7月に発生した西日本豪雨の七回忌を控え、高野山真言宗備中青年教師会(会長・雲井智祥霊山寺住職)は6月27日、総本山金剛峯寺(和歌山県高野町)で、物故者供養のための土砂加持法要を営んだ。長谷部真道金剛峯寺座主を導師に、岡山や愛媛などの青年僧約40人が追悼の祈りをささげた。(松井里歩)

 西日本豪雨は18年7月に発生。広島や愛媛など、西日本各地に大きな被害をもたらした。岡山県内では死者が61人に上ったほか、広島県北東部から岡山県西部を流れる小田川の堤防決壊によって、倉敷市真備町を中心に大規模な浸水被害が発生した。

 同会は被災後、募金活動や他宗派との合同法要を行っており、七回忌に合わせて本山での法要を企画した。清められた土砂は被災各地に持ち帰り、命日にまく。雲井会長は「真備は復興から語り継ぐ段階へ移行している。われわれの活動が一助になれば」と語った。

長谷部座主を導師に営まれた土砂加持法要

災いにも恵みにも

 土砂加持法要の後には、豪雨災害で氾濫(はんらん)した小田川の水で染めた岡山県井原市の特産品「井原デニム」の作務衣(さむえ)が加藤栄俊法会部長を通して本山へ奉納された。長谷部座主や内局を含む山内僧侶らに使ってもらおうと、35着を用意。被災者への供養の思いを込めた。

 井原デニムの作務衣は、地元の縫製会社、青木被服と同会が19年に初めて製作。地場産業のPRを兼ね、街頭募金活動で着用したこともあるという。

加藤法会部長(中央左)へデニム作務衣を奉納した青木専務(中央右)。
左は片岡秀仁前会長、右は雲井会長

 青木俊樹専務によると、作務衣は日常生活で使いやすいよう、軽くてしわにならないコットン素材を使用。今回の35着は完全オーダーメイドで、襟の裾にはそれぞれ僧侶のイニシャルや名前を刺繍(ししゅう)している。

 青木専務は「災いにも恵みにもなる両面性が眠る水を使用したデニム。まとうことで寄り添っていただければ、今後も自信を持って製造に取り組める」と話していた。

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