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【能登半島地震】牧師・信徒ら連帯 「能登ヘルプ」支援活発

※文化時報2024年2月9日号の掲載記事です。

 能登半島地震では、プロテスタントの諸教会・団体が垣根を越えて被災地支援を行う「能登地震キリスト災害支援会(能登ヘルプ)」(代表、岡田仰・金沢独立キリスト教会牧師)が設立された。炊き出しなどの活動を活発に行い、キリスト教者同士の連帯感を支援に生かしている。

 被災地の教会牧師や信徒らは地震発生直後から連絡を取り合い、情報交換。1月5日には、日ごろから大規模災害に備えている全国ネットワーク「キリスト全国災害ネット(全キ災)」(北野献慈世話人代表)がオンライン会議で情報を共有した。

 会堂損傷や人的被害が少なく、元日から周辺地域の支援に携わっていた内灘聖書教会(石川県内灘町)を、能登ヘルプの支援拠点とすることを決定。同教会の酒井信也牧師が、全国から駆け付ける諸教会と救援団体の能力を分析し、行政と連携しながら適切な支援場所へと割り振っている。

 酒井牧師は「聖書のみに立つ」というルターの教えが根本にあり、災害支援という一つの目的のために協働できる土壌となっていると指摘。「東日本大震災や熊本地震などでも共に支援活動を行ってきた。この経験が、今回の連携に生きた」と話した。

酒井信也牧師

 また、教団や教派が異なっても同じ神学校で学んだ者同士だと関係が深く、平時でも連帯感が強いという。酒井牧師は「イエス・キリストが人々に尽くしたように、われわれも何かあったら助けに走る。これがキリスト教者だ」と力を込めた。

伝道師の行動力生かす

 能登ヘルプのメンバーらは1月30日、避難所となっている公営浴場ほのぼの湯(石川県内灘町)で炊き出しを実施。避難所と町役場の連絡・調整がうまく機能せず、一時は実施が危ぶまれたが、焼きそば、フランクフルト、みそ汁が約70人に提供された。

 岡部修さん(85)は「まるで祭りの夜店に行った気分。被災してうつむいてばかりいたが、幼少期の幸せな記憶がよみがえった」と笑顔。翌日に町外の介護施設へ移ることが決まっていたといい、「故郷を離れる前で良かった」と語った。

 能登ヘルプには外国人スタッフも多く、現場で指揮を執る月井サムエル伝道師(本郷台キリスト教会、横浜市栄区)は「伝道師は業務時間に縛られることがなく、フットワークが軽い。このリソース(資源)を支援に生かしてほしい」と話した。

被災者の話に耳を傾けるサムエル伝道師(手前左)

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