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困窮者支援の正念場

※文化時報2022年6月10日号に掲載された社説です。

 「生きづらさを抱えるすべての人と一緒にこれからのことを考える」。鹿児島市のNPO法人「ルネスかごしま」は、そのようなモットーを掲げて伴走型支援を行っている。どんな人も自由に過ごせる居場所としてのカフェを、鹿児島県内で定期開催し、電話やメール、会員制交流サイト(SNS)を通じてあらゆる相談に応じている。いずれも参加費や相談料を徴収していない。

 新型コロナウイルス感染拡大後に力を入れてきたのは、外出できない人々に無料で食料を届ける活動だ。希望する品物を聞き取ってからスーパーマーケットなどで買い物し、遅くとも翌日には届けている。宗教者でも、なかなか太刀打ちできない支援である。

 「たにかつさん」の愛称で親しまれる代表理事の谷川勝彦さんは、在宅療養者や濃厚接触者、あるいはワクチン接種後の副反応がつらい人などを含め、事情を問わずに対応してきた。

 だが、最近になって自分で買い物ができると思われるケースについては、遠慮してもらうことにした。依頼が急増し、NPOへの寄付だけでは、賄い切れなくなったのだという。

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