世界に一つだけの…
※文化時報2023年9月15日号掲載の社説です。
平成を代表するSMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」が2003(平成15)年3月にシングルとして発売されてから、今年で20年となった。音楽の教科書にも掲載され、世代を超えて知られる名曲である。
色や形、大きさなどが異なっても花はそれぞれ美しいのに、人間はなぜ比べたがるのか。そうした気付きを与える歌詞は、「NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」と結ばれる。多様性が叫ばれるようになった今こそ、改めて注目すべき歌だろう。
リリースされた当初、僧侶たちは仏教的な歌だとして、よく法話の話材にしたようだ。実際に作詞・作曲を手掛けた槇原敬之氏は文藝春秋19年2月号の対談記事で、釈尊の言葉「天上天下唯我独尊」に着想を得たと明かしている。
ここから先は
1,252字
¥ 300
サポートをいただければ、より充実した新聞記事をお届けできます。よろしくお願いいたします<m(__)m>