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【能登半島地震】宗教は地域活動の中心 文化庁宗務課長が指摘
宗援連シンポジウム
※文化時報2025年1月21日号の掲載記事です。
宗教者と宗教学者らでつくる「宗教者災害支援連絡会」(宗援連、島薗進代表)は9日、真如苑友心院(東京都千代田区)で能登半島地震の発生から1年を振り返るシンポジウムを開催した。オンラインを含む約80人が参加し、被災地の現状を聞いたほか、宗教者の活動する意義や課題について有識者らが討議。文化庁の山田泰造宗務課長は「宗教は教義を広めるだけでなく、地域の中心として活動できることを痛感した」と述べた。(山根陽一)
活動報告には4人が登壇した。
真宗大谷派常福寺(石川県七尾市)の畠山浄住職は、大谷派の有志でつくる「災害支援北陸門徒ネット」の中心メンバーとして支援活動に参画している。全壊・半壊と認定されなくても室内で大きな被害を受けた民家などへの公的支援の難しさを訴えた。
同県輪島市門前町で支援活動を行う曹洞宗系のシャンティ国際ボランティア会は、地域の民宿や飲食店と共にセントラルキッチン(集中調理)方式で炊き出しを行い、市と協力して、移動図書館やブックカフェを実施した。同会の中井康博氏は「同じ痛みを持つ者同士の出会いや、久しく会えなかった旧知の人の再会の機会になる」と強調した。
カリタスのとサポートセンター(金沢市)の片岡義博センター長は、カトリック七尾教会の被災状況を伝えた上で、被災者のニーズを知り、心のケアをするには、平時のコミュニケーションが大切だと説いた。
9月の豪雨で土石流による被害を受けた高野山真言宗岩倉寺(輪島市)の一二三(ひふみ)秀仁住職は、防災意識の重要性について「避難訓練は臨場感がなければ意味がない。防災士の育成も重要だ」と指摘した。
長妻氏「宗教者に興味」
有識者として登壇した山田宗務課長は、宗教法人数や信者数が減少傾向にある現状を伝えた上で「災害時に宗教・宗派を超えて支援活動に取り組むことができるのは、宗教の大きな強み。地域の中心として人々をつなぐ活動をしており、行政としても見守っていきたい」と述べた。
オブザーバー参加した立憲民主党代表代行の長妻昭衆院議員は「災害復興にはハコモノの再築と同時に心のケアも重要。布教ではなく精神的な支援に取り組む宗教者に、非常に興味がある」と語った。
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稲場圭信大阪大学大学院教授と弥生神社(神奈川県海老名市)の池田奈津江権禰宜(ごんねぎ)も、それぞれの立場から宗教者による支援の重要性を強調。進行役を務めた島薗代表は「宗教者による被災地での活動は、必ず精神的な支援につながる。孤独・孤立を防ぎ、誰一人取り残さない社会を築くには必要不可欠」と力を込めた。
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