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【能登半島地震】一般質問でも議論相次ぐ 真宗大谷派宗議会

※文化時報2024年6月18日号の掲載記事です。

 真宗大谷派の第75回宗議会(常会=望月慶子議長、竹内彰典副議長)は4~6日、一般質問を行った。与党会派・真宗興法議員団9人、野党会派・同朋社会をめざす会3人、僧伽(さんが)2人、無所属3人の計17人が登壇。能登半島地震の支援策や行財政改革などを中心に議論した。(高田京介)

 1期の伊吹惠鐘議員(興法・長浜)は、被災地のコミュニティー機能が制限され、離散家族が大勢いる点を指摘。「心のケア、心の復旧に宗門がどう寄り添っていくかが課題だ」として、「仮設道場」の建設を提案した。

 災害救援本部長を務める那須信純参務は、聞法道場復興を検討すると述べ、浄土真宗本願寺派の寺院が住宅メーカーの手掛けた本堂で経費負担を抑えた例を示し「聞き取りを行っている」と明かした。

 1期の中川和子議員(僧伽・三重)は、議員全員に視察の実施を呼び掛けた。

一般質問が行われた宗議会本会議=6日

 行革を巡っては、2期の山田孝彦議員(興法・福井)が「内局としてどのように主張し、断行するのか」と追及した。木越渉宗務総長は、行革検討委員会の最終報告について、さまざまな意見を反映したとの認識を示した上で「改革が実感できるような具体的な施策を実施していく」と強調。課題によって宗務審議会を設置する考えを明らかにした。

 3期の齊藤法顕議員(同・九州)は「ピンチはチャンス。当局は覚悟を持って決断・実行いただきたい」と迫り、男女平等とデジタル技術を用いた開教の視点を求めた。佐々木高参務は前向きな姿勢を見せた。

 5期の富田泰成議員(同・名古屋)もデジタル化を念頭に置いた宗務機構改革を訴え「10年先の財政規模を想定し、若い世代へ手厚く」と主張した。

建立と都市開教求める

 被災寺院の新寺建立や都市開教といった教勢拡大を求める意見も相次いだ。

 1期の菊池浩議員(興法・富山)は、地元の富山県氷見市も能登半島地震で甚大な被害を受けたと報告。「新寺建立や開教活動に宗派の融資や助成を出す考えはないか」とただした。

 那須参務は「宗門にとって、財源確保が課題。多岐にわたる課題があり、慎重に見定める必要がある」と述べるにとどめた。

 6期の清史彦議員(同・大阪)は、首都圏に立地する開教寺院を例に挙げ、「約1万人の人口を有する石川県珠洲市には宗派寺院が40カ寺あり、寺院立地に偏りがある」と指摘。「当局は『縮小が当然』と考えているが、立地の是正や教勢拡大の取り組みをどう見るか」と問うた。

 那須参務は「状況を見定めつつ、対応している」と答弁し、縮小傾向ではないことへの理解を求めた。また、大谷祖廟(京都市東山区)や首都圏の取り組みを引き合いに「これからの宗門を考える上で重要な視点」と述べた。

 1期の岩嵜徹議員(めざす会・東京)は、首都圏の開教の対象が「門徒にとどまらない」と指摘し、さらなる推進を求めた。

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