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【能登半島地震】真宗大谷派「七歩会」、金沢から義援金と現地視察

※文化時報2024年5月17日号の掲載記事です。

 真宗大谷派金沢教区の若手住職が保守・改革の垣根を越えて集う「七歩会」(事務局・瑞泉寺、金沢市)が、元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた能登教区の復興に役立ててもらおうと、能登教務所(竹原了珠教務所長、石川県七尾市)へ100万円の義援金を寄託した。会員らは七尾市内の5寺院を視察し、現地の住職や坊守らの声を熱心に聞き取っていた。(高田京介)

 七歩会は2000(平成12)年の発会後、教学・儀式作法などの研鑽(けんさん)を目的に、年2回ほど学習会を開催しており、毎回50人近くが参加している。義援金については、早期の復旧を願い、2月の新年総会で会員からの勧募を決めた。

 4月10日昼に、会長の杉谷望・瑞泉寺住職、元宗議会議員の冨士澤丞(すすむ)・光専寺住職、事務局長の月輪慶比古(よしひこ)・願念寺住職が会員を代表して能登教務所を訪問。竹原教務所長に面会し、目録を手渡した。その後、教区内の被災状況を聞き取り、25年7月に迫る能登と金沢の教区改編などについて意見交換した。

竹原教務所長に義援金を渡す杉谷会長と冨士澤元議員、月輪事務局長(右から)=能登教務所

 能登教区では、被災寺院に対し、修理業者を装った不審な電話や訪問が相次いでいるという。また、門徒宅や寺院への補償に関する申請は自治体によって対応が異なっており、教区としてサポートなども行っていくという。

 面会で杉谷住職は、地震発生直後に親戚関係にある七尾市中島町の蓮淨寺を見舞いに訪れ、支援物資を渡したことを明かした。「能登教区が大変な目に遭い、金沢の有志として何かできることがあれば協力したい」と力を込めた。

 一方、教区改編については「能登の復旧が最優先」との認識を示した。冨士澤住職も「地方協議会までの合意とは異なり、準備委員会では納得できる協議が必要だ」と語った。

 現地視察では、教務所員の案内で中島町の安泉寺、田鶴浜の稱蓮寺、市街地の願正寺を見舞った。他に蓮淨寺と、佐々木高参務が住職を務める長福寺も訪問した。

 本堂や庫裏の倒壊など大規模損壊に見舞われた寺院では、いまだ避難所生活を送る寺族がいることも判明。軽微な被害に見えても本堂内部に傷みがあったり、地盤沈下したりした例もあった。月輪住職は「現地の声は生々しかった。状況が分かり、有意義な訪問だった」と話した。

安泉寺では、國分大慶住職(左から2人目)から被災状況を聞き取った

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