人間とは何かを語れ
※文化時報2023年7月28日号掲載の社説です。
「人間は機械である」。作家のマーク・トウェイン(1835~1910)は晩年に書いた『人間とは何か』でそう主張し、物議をかもした。『トム・ソーヤーの冒険』などで知られる米国の国民的作家が匿名で発表した異色の評論は、100年以上を経て昨年、文響社で漫画化され(『漫画 人間とは何か? 自己啓発の劇薬 マーク・トウェインの教え』)、英米の思想書としては今も売れ筋となっている。
もし宗教者が手に取れば、キリスト教徒だったはずのトウェインが、極めて仏教思想に近い考えを持っていたことに驚かされるだろう。
『人間とは何か』は「人間は機械である」と主張する老人と青年実業家による問答形式をとる。「人間は自由意思を持っている」と信じてやまない青年は、老人の話に納得できず反論や疑問をぶつけていくうちに、考えを受け入れていく。
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