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【能登半島地震】ボランティア支援センター開所、現地本部移転 真宗大谷派

※文化時報2024年2月13日号の掲載記事です。

 真宗大谷派は1日、能登教務所(石川県七尾市)でボランティア支援センターの開所式を行った。3月にも七尾市能登島を除く市内の断水が解消される見通しとなったことから、金沢教務所(金沢市)に設置していた現地災害救援本部も能登教務所に移転させた。宗派僧侶らのボランティア受け入れに向け、準備を進める。

 開所式には、能登教区選出の諸岡敏議員(輪島市明敬寺)、篠塚榮祐議員(能登町法融寺)らをはじめ、教区内の役職者約30人が出席。勤行後、看板を教務所玄関に掲げた。

能登教務所には、現地災害救援本部も移転させた

 木越渉宗務総長はあいさつで、元日に真宗本廟(東本願寺、京都市下京区)で営まれた修正会に参列した後、自坊の光專寺(石川県かほく市)に帰った直後、揺れに襲われたことを明かした。「大津波警報があり、本尊を車に積み込んで坊守と共に避難した。普段は潮の満ち引きが激しい日本海も、この日はゆっくりと陸に近づいてきて不気味だった」と振り返った。

 江戸時代に外国人によって書かれた旅行記にも触れ、「『能登はやさしや土までも』という言葉があるが、その土が牙をむいた。全国的に見ても念仏の大地であり、やりきれない」と胸中を吐露。「残った人たちは一人ではない。一致団結し、宗派として共に被災地を支え、全国に発信したい」と息の長い支援に取り組んでいくことを誓った。

 能登教区会の完(さだ)恵議長は「昨年5月5日の地震よりもひどい地震に遭うとは思わなかった」と漏らし、「元日は1回目の地震で庫裏が全壊し、本堂の柱にしがみついた。気が付けば外へ飛び出していた」と述べた。

 インフラが機能不全となる中、宗派の現地災害救援本部の活動に感謝を示し、「愛着のある地元に残った門徒もいる。時間がかかると思うが、互いが手を携えて(復興の)第一歩を踏み出していく」と力を込めた。

宗派を挙げて支援に取り組むことを誓った木越宗務総長=1日、石川県七尾市

 大谷派は1月2日に現地災害救援本部を設置し、本山から11回に分けて宗務役員を派遣。能登や金沢の教務所員らと共に、被災寺院の宝物の保護や本堂の片付けなどを行っている。

 佐々木高参務(七尾市長福寺)を含む能登選出の宗議会議員が全員所属している与党会派の真宗興法議員団は、宗派の支援状況を聞き取り。今月6日の団総会で、搬入手段のトラックや金銭支援を決める方針だ。

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