【能登半島地震】真宗大谷派、被災教区に4500万円
※文化時報2024年1月23日号の掲載記事です。写真は能登教区佛照寺(石川県輪島市)を視察する那須参務ら(真宗大谷派提供)
真宗大谷派は12日、能登半島地震で被災した4教区に総額4500万円の災害見舞金を交付することを決めた。16日には、常設の災害救援本部長を務める那須信純参務が能登教務所(石川県七尾市)を訪れ、いずれも石川県輪島市内にある教区所属の寺院4カ寺を視察。「被災の現状を目の当たりにし愕然(がくぜん)とした。宗派として被災者に寄り添い、息の長い復興支援に全力を傾注したい」と決意を述べた。
14日の宗派発表によると、能登教区は353カ寺中262カ寺が被災。大規模損壊66カ寺、被害がなかった寺院は13カ寺で、31カ寺が未確認という。このほか新潟143カ寺、金沢118カ寺、富山59カ寺、福井23カ寺、小松大聖寺10カ寺、京都3カ寺で被害が出た。
宗派は2日に竹原了珠・能登教務所長を本部所長とする現地災害救援本部を設置。能登教務所の通信設備や水道が地震の影響で止まっていたため、金沢教務所(金沢市)に置いた。金沢に集まった物資を5日から順次、能登に搬入しており、教区所属寺院の調査を行いながら、避難所へ物資を提供している。
16日は、那須参務が完恵・能登教区会議長に災害見舞金4千万円の目録を手渡した。自坊・永誓寺(同県珠洲市)の本堂が倒壊するなど被害を受けた完教区会議長は「教区全体が大変な状況だが、能登の土徳を手渡していけるよう考えていきたい」と話した。
災害見舞金はほかに新潟と金沢に各200万円、富山に100万円を交付する。全国から募っている災害救援金も今後分配する。
与党会派が支援検討へ
真宗大谷派の宗議会与党会派・真宗興法議員団は14日、執行部に当たる幹事会の会合をリモートで開き、能登半島地震を受け、金銭と物資の支援を行う方向で検討することを決めた。2月開催の宗議会宗政調査会に合わせて予定する団総会に諮る。
北陸は宗派所属の約8千カ寺のうち2千カ寺以上が立地する大谷派の金城湯池。能登半島地震では議員や宗務役員の多くが被災した。
会合では、災害救援本部の那須信純参務が現状を報告。宗務役員の心身の健康を気遣いつつ、被害の全容解明に全力を挙げることを誓った。轡田普善幹事長は「余震が続く中、被害が拡大する可能性がある。被災者や宗派に対し、政策集団としてできることがないか、検討したい」と話している。
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