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意外に知らないツバメの魅力を楽しむ

Author:髙野丈(編集部)

早いもので明日から3月。長引いた寒波の影響で少し遅れましたが、梅も早咲きの桜もすでに開花しています。花が見頃になる頃には、今シーズン初めてツバメが確認されるかもしれません。元気に飛び回る姿を目にすれば、本格的な春の到来を感じられるでしょう。

かいがいしく子育てするようすを身の回りで見られるので、ツバメは私たちにとって身近でなじみ深い鳥のひとつ。プロ野球球団や乗り物の名称、飲食業の屋号や商品名にもよく使われるほどよく知られた鳥です。でも、どんな鳥ですか?と聞かれて、うまく説明できる人はそう多くないのではないでしょうか。世間一般では、ツバメが子育てする姿は目にしていても、それ以外のくらしはほとんど見ていないと思います。また近年、個体数が減っていることが調査によって明らかになっています。BIRDER編集部では、ツバメをくわしく紹介すべき鳥だと考えました。そこで今回、注目すべき鳥を徹底的に深堀りする「とことんシリーズ」で取り上げることにしました。それが、シマエナガ、カラスに続く3作目『とことんツバメ、アマツバメ』です。

かわいい5羽のひなが表紙です

ツバメは渡り鳥です。いつごろ国内へ飛来し、何月くらいに去っていくのでしょうか。どこからやってきて、どこへ行くのでしょう。何を食べて生活しているのでしょう。国内で見られるツバメのなかまには、どんな種類がいるのでしょう。世界ではどうでしょう。そんな基礎知識はもちろん、笑ってしまうくらい変わった場所にかけられた巣や、渡り鳥のはずなのに秋冬の寒い季節に行われた謎の子育て、オスがモテる条件は世界各地で異なるなど、メディアで取り上げられそうな話題も豊富に紹介しています。執筆はツバメ研究の第一人者や調査保護活動に取り組む専門家、国内外の幅広い話題に明るい科学ジャーナリストにお願いしました。さらに、BIRDER編集部ならではの専門性を活かし、ツバメとは別グループであるアマツバメ科のなかまも、合わせて取り上げることにしました。

ツバメ類とアマツバメ類の基本「ツバメ図鑑」はツバメ研究の第一人者、長谷川克さんが担当
世界のツバメ類・アマツバメ類も図鑑ページで紹介。松村伸夫さんが大活躍

とことんシリーズでとくに重視しているのがビジュアルです。今回はツバメの撮影に長く取り組んでいる写真家、佐藤信敏さんに多数の作品を提供していただきました。ツバメは素早く不規則に飛び回るので撮影が容易ではない鳥ですが、佐藤さんは卓越した技術力と粘り強い取り組みでクオリティの高い作品を作り出します。動画も精力的に撮影しており、「ダーウィンが来た!」など自然番組でも採用されています。かわいらしい表紙から見応え抜群のグラビア、図鑑的ページまで、全編にわたって佐藤さんのツバメの写真と動画を掲載しています。

カメラの性能が上がったとはいえ、こんな瞬間は容易に撮影できない
ツバメのくらしを、躍動感あふれる写真で紹介
佐藤さんにかかると、もくじも美しくなる

知っているようで、意外に知らない身近な鳥、ツバメ。『とことんツバメ、アマツバメ』を読んで、身の回りで見られるツバメに注目してみませんか。

ブンイチサイエンストークを3月7日(金)に開催します。

本書の出版を記念し、3月7日(金)に著者の佐藤信敏さんを講師にお迎えしてオンライン講演「知っているようであまり知らない? ツバメとアマツバメのはなし」を開催します。講演では佐藤さんの見事なツバメ作品を紹介しながら、撮影時のエピソードを披露します。視聴は無料。お気軽にご参加ください。

講師:佐藤信敏(写真家)
司会:髙野丈(文一総合出版)
参加費:無料
詳細・お申込みは文一総合出版のPeatix(下記)よりどうぞ。


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