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BUNGU SQUAD STORY #12『開拓』

この物語は、BUNGU SQUADというアナログゲームがどういう経緯で生まれて、どのように世界に羽ばたいていくかを、現在進行形で書き残していく自叙伝である。

#1はこちら

初めてのイベント出展、東京ビッグサイトで開催された「ゲームマーケット」での2日間を終えて、僕はさらに新たな広がりを求めていった。

2019年6月4日。
まずやってみたのは、都内の大学で文房具関係のサークルのTwitterアカウントが無いか探してみた。

すると、いくつか見つかったので、片っ端からDMを送ってみたところ、早速返信をくれたのが中央大学「文具ラボ」さんだった。

連絡をくれたのは、サークルを設立された代表のSさんで、ゲームや活動の内容にとても興味を持ってくれて、是非話を聞きたいと言ってくれた。

就職活動の忙しい中、何とか時間を作ってくれて、約1ヶ月後、月イチで行われている定例会の日に、サークルの皆さんと顔合わせをする事になった。

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✒︎  中央大学へ訪問
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2019年7月9日。
中央大学にはいくつかキャンパスがあるようで、今回は京王線からモノレールへ乗り継いだ先にある多摩キャンパスへと案内された。

都心からは離れた、山の方にある建物でも、大学には進学しなかった自分にとっては充分過ぎるほど眩しかった。

キャンパス内にある共同ホールでの待ち合わせだったので、部外者とまではいかずとも場違い感を少なからず感じながら、中の方まで入っていくのはそれなりに勇気が必要だったと思う。

どんな顔をして、どんなテンションでいけばよいかも全くわからず、なるようになれという気持ちで向かっていったのだが、その直後の記憶がすっぽり抜け落ちているので、どうやら闇に葬ってしまう程の大事故があったようだ。

断片的に覚えているのは、消しゴムのカスを吸い込む卓上クリーナーを机から落として、若人の聖域に中のゴミを盛大にぶちまけてしまった事くらい。

ほろ苦い大学デビューを果たし、プレゼンは完全に大失敗をしてしまったと、トボトボと帰路についたのだが、その夜、代表のSさんからとても嬉しい言葉をもらった。

中央大学では毎年11月に「白門祭」という文化祭が2日間に渡って開催されていて、そこでサークルの催しに当ゲームを取り入れたいと考えていると、伝えてくれた。

その後、正式に出演依頼をいただくのだが、それはまた次回以降のエピソードで。

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✒︎  思いもよらない展開に
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実はその裏で、もう一つ嬉しい事が同時進行で起きていた。

文房具雑誌を読み漁る程の“通”ならおそらく誰もが知っている、文房具ライターのきだてたくさんにも、例の如く巻物のようなDMを送りつけていたのだが、何と、ちょうど連絡をしようと考えていたところだったと、夢みたいなお返事をいただけた。

(確か、その直前にTwitterで何かのツイートに反応していただいていたような…?)

きだてさんが毎月寄稿されている「デイリーポータルZ」という読み物サイトに、掲載する記事の取材をしたいという申し出をいただいた。

それはもう当然、二つ返事で承諾し、8月に何人か集めてゲームをしましょうという事になった。

文房具を使いたくて作った小さなゲームが、少しずつ世の中へ繋がる道を切り拓いていったあの感覚は、今でも手に残っているほどの大きなものだった。


〜BUNGU SQUAD STORY #12 へ続く〜

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