見出し画像

海外MBAでの学びを通して見つけた想い「20年後は民間出身の外交官になる」

Vol.8 執筆者|山田洋平(2020年4月13日記)

47期の西川さんより「リレーエッセイ」のバトンを拝受しました、48期の山田洋平と申します!私は2017年1月にBond-BBT MBAに入学し、2019年6月に無事卒業しました。

本題に入る前に: COVID-19

【米国の状況】:私が現在住んでる米国California州では、COVID-19の感染拡大への措置として、3週間以上前から外出禁止令が出てます。学校は閉鎖、お店の大半は営業停止(飲食店は全てイートイン不可)、多くの人は在宅勤務です。米国ではCOVID-19によって、現在は毎日2,000名以上(累計では既に22,000名以上)が亡くなってます。極めて深刻です。「見えない」敵への不安感・緊張感が常にありますので、仮に自分や身近な人が感染してなくても、精神的な疲労感が常にあります。日本でも東京都を中心に感染が再び拡大し、緊急事態宣言が出て数日経ったと思います。

【危機感とお願い】:COVID-19は「接触感染」(object-to-person)によっても移りますが、圧倒的に多いのは咳・くしゃみ・会話等を通じた「飛沫感染」(person-to-person)と言われています。そのため、特に日本にいる皆さんにはこの場をお借りして、「Mask着用」のみならず、「可能な限りStay at home」と「Social distancing」も是非お願いしたいです。我々が最も恐れるべき飛沫感染を防ぐためには、この3つが最も有効と言われてるからです。価値は 「(合理的+心理的ベネフィット)- (合理的+心理的コスト)」と定義できると思います。私が上記3点を特にお願いしたいのは、これが私たち一人ひとりが社会のために今できる、最大の「価値創造」の方法だと思うからです。日本では、状況の深刻さの割には、危機感がまだ薄いように感じます。少しでも危機感が伝わり、何かに繋がれば幸いです。それでは、話が逸れましたが、本題に入ります!

西川さんの第一印象:怖い!

【怖い!】:171期のMarketing ManagementのGWメンバーだった48期の同期(奥山さん、大西さん、武さん)と一緒に、2017年3月に秋葉原にて行われた163期のMarketing Managementの最終発表会を聴講させていただきました。そのとき、西川さん達のグループはSTPの模範とも言える素晴らしい発表をされてました。また、西川さんは他グループへのQ&Aでも、非常に鋭い質問を繰り返されてました。そのため、3年後の今ですので申し上げますが、西川さんの第一印象は、とにかく「怖い!」でした(笑)

【尊敬へ】:西川さんとはその後、Financing Entrepreneurial VenturesのGWや、2度のStudy Tour(Sirromet Wines行きのバスや、Gold Coastの海辺でもコーヒー啜りながら語りましたね)等でご一緒する機会に恵まれました。西川さんは、頭の回転がずば抜けて速く、特にファイナンスの知識とセンスが抜群で、尚且つ、葛藤を恐れない勇気もお持ちです。西川さんの口癖は「何とかなりますよ。」でしたが(笑)、私も実際にそれで何度も救われました。西川さんのおかげで議論の質もFinal Productの質も飛躍的に向上する姿を、直で拝見しました。スローで平和主義?な私には無い強みを沢山お持ちで、私が本当に尊敬する先輩です。この度は西川さんからバトンを頂戴し、大変光栄です。

自己・仕事紹介

私は米国New Jersey州で生まれ、高校卒業までの18年間をNew Jersey州で過ごしました。1997年に大学入学のために、一人で日本に行くことを決心しました。大学と大学院を経て、技術とビジネスを通じて「日本と世界の懸け橋になりたい」という想いを込め、2004年に味の素㈱に新卒で入社しました。研究所でアミノ酸発酵の研究に6年間従事した後、本社で7年間バイオ医薬系の事業開発に携わりました。

2017年に米国California州にあるバイオ医薬品受託製造会社Ajinomoto Althea, Inc.へ赴任し、現在に至ります。Business IntelligenceのDirectorとして、世界中で開発されてるバイオ医薬品に関する情報を収集・解析してます。その中で実際のビジネスに繋がり得るものを特定し、Sales&Marketingチームと上手く連携して新たなビジネスを生むことが、私の現在のミッションです。

Bond-BBT MBAを選んだ理由・キッカケ

【AccountingとFinance】:新卒入社時は研究職でしたが、本社では事業開発に従事しました。担当事業を軌道に乗せるには、特に数字系(Accounting、Finance)を体系的に学ぶ必要性を感じました。Bond-BBT MBAは数字系に強い印象を受けました。

【Entrepreneurship】:中長期的にはビジネスを自分で一から立ち上げたい、という思いもありました。Bond-BBT MBAは起業する力の育成に特に力を入れてると感じましたので、興味を持ちました。

【身近な先輩】:私が尊敬し、同じ部署の先輩だった42期の田中秀幸さんがBond-BBT MBAで勉強してました。私もいつか田中さんのように働きながら(海外出張・海外赴任もしながら)勉強して成長したいと思いました。

【オンライン】:私はもともと海外出張が多く、海外赴任の可能性もありました。実際に2017年10月に米国San Diegoへ赴任しましたが、通学制でしたら勉強を中断せざるを得ませんでした。オンラインのBond-BBT MBAを選んで良かったです。

【弟】:弟(山田暢彦)がBBT大学の経営学部グローバル経営学科にて、専任講師を務めてます。Essential English Writingを教えてます。大前学長やBBT大学の魅力は弟からも伺ってたため、弟を通じても親近感が湧きました。

在学中のモチベーションの保ち方

【学友】:卒業までモチベーションを維持できたのは間違いなく、48期の同期、Study Tourでご一緒した皆さん、そして各科目のGWメンバーのおかげです。最後までお互いをサポートし、高め合えたことが、何よりも大きかったです。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。

【家族】:在学中は家族に大きな負担をかけてる分、MBAを取得したら家族との時間を大切にしよう、という思いも常にありました。子どもたちには、自分が模範を示すことで、何事にも全力で取り組むことの大切さも伝えたいと思ってました。

【初心】:自分や会社のためだけでなく、より良い日本、そしてより良い世界のためになりたい。このような初心も思い出し、モチベーションとしてました。"Ask not what your country can do for you, but what you can do for your country." (ジョン・F・ケネディ)

在学中に実感した成長

【Marketing Management】:まず一番最初の科目Marketing ManagementのGWです。通常は理論を学んだ上で課題に取り組むと思いますが、Marketing ManagementのGWでは私は財務担当になりました。まだ体系的に学んでないことをいかに担当するか悩みましたが、最低限の知識を独学で勉強しました。まずは課題で壁にぶつかり、それから必要な理論を学ぶのは、とても効率的なやり方だと後に気づきました。実際の仕事においても、多くの場合はこの順番だと思います。Marketing Management以降、同レベルの課題を提出するためにかかる時間はどんどん短くなり、また同じ時間をかければより良いものができるようになったため、自分自身の成長を実感できました。

【数字系、Entrepreneur系】:Bond-BBT MBAを選ぶ理由となった数字系の科目(Accounting、Economics、Data Analytics、Managerial Finance)とEntrepreneurial系の科目(BPEV PartA、BPEV PartB、Financing Entrepreneurial Ventures、E-Business Strategy)でも成長を実感できました。在学中は毎週20~30時間ほどBond-BBT MBAに投資してました。特にこれらの科目は努力を惜しまず、できるだけInputすることを心がけてました。その結果、いずれの科目においても納得できる成績をいただけました。地道な努力とInputがレポートや試験を通じたOutputの質に繋がったことを確認できたときは、やはり手応えを感じ、成長を実感できました。

卒業して変わったこと

【仕事】:まずは、何よりもMBAで習得した「中身」(知識・スキル)のおかげで、より迅速に自信を持って現状把握と課題抽出を行い、戦略や戦術を描けるようになりました。また、MBAという「肩書」が得られたことで、社内外の関係者により話を聞いていただけるようにもなりました。 特に米国では肩書は重要視されており、プロとしての免許とも言えます。

【健康】:より健康的になりました。筋トレと食生活改善に取り組んだ結果、体重9kg減(75kg→66kg)と体脂肪率5%減(22%→17%)を実現し、現在も維持できてます。ゴルフも始めました。まだ全然上手くないですが、ゴルフは(過去の)自分と勝負する要素が強いスポーツと感じ、成長を実感しやすい点が楽しいです。心身の健康維持に役立ってる気がしてます。

【家族】:家族とCalifornia州の魅力を一層満喫できるようになりました。こちらの国立公園(例:Yosemite、Joshua Tree)、観光パーク(例:Disneyland、Legoland、Sea World、Balboa Park)、海岸(例:La Jolla、Pacific Beach、Del Mar)はやはり最高です。また娘たち(10才、7才)には、自宅では英語タイムを設け、週末は近くのコートでテニスを教えてます。英語とテニスを通じて、日本国内外に沢山の友達を作ってもらいたいです。

今後の目標・夢

【モチベーション:日本の地位を高めたい】
ビジネスを通じて技術と顧客、そして日本と世界の懸け橋になり、世の中に貢献したい。このような思いを込めて2017年1月にBond-BBT MBAの門を叩きました。もともと米国で生まれ、18歳まで米国で育った私は、実は、日本人という自分のルーツにあまり自信が持てていませんでした。それが、大学進学を機に日本に渡ってみて、世界に誇れる価値・技術・文化・習慣が日本にはこんなにもあるのかと感動したのです。日本企業に就職してからも、海外のお客様に日本の技術の素晴らしさを評価されることが、最大の喜びでした。今後も世界の人々の役に立つ仕事をし、その結果として国際社会における日本と日本人の地位向上にも貢献することが、最大のモチベーションとなります。

【5年後:2度目の海外赴任】
可能であればもう一度、海外(今度は米国以外の国)で働きたいです。私はビジネスを通じて日本発の技術・価値を世界に発信し、世の中に貢献したいと考えてます。一方、世界の多様なニーズを満たす優れた製品・サービスを「日本から海外」へ届けるには、現地の生活・文化・慣習を深く理解することが不可欠だと思います。海外赴任はこれを行うために非常に有効な手段であると、私は思うのです。「海外から日本」を客観的に見る能力も養えるため、チャンスがあれば日本と米国以外の国でも働いてみたいです。

【10年後:日本発の技術で新規ビジネス】
日本で技術(自分の専門性であるバイオ)を軸とした新規ビジネスを立案し、起業したいです。Bond-BBT MBAでの学び、語学力と海外赴任の経験、技術的専門性、そして日本人としてのアイデンティティをビジネスで発揮し、日本と世界の懸け橋として世の中に貢献したいです。経営と国際社会に、大きなインパクトを与えたいからです。アメリカで生まれ育った日本人としての使命感と誇りを持って、日本発の素晴らしい技術・文化・価値を世界へ発信します。

【20年後:民間出身の外交官】
国際社会を舞台に世の中に貢献することで、日本と日本人の地位を向上させ、一人でも多くの日本人に勇気と希望を与えたいです。私は中学時代まで劣等生であり、米国で生まれながらも日本人として過ごした幼少期の色々な悩みや苦労が、今でも自分の原点です。日本の外交官になるための条件の1つは、二重国籍を有さないことです。私は米国で生まれたため、二重国籍を有していました。流石に色々と悩みましたが、いつか・いつでも日本の外交官になれるよう、複雑な手続きを経て、米国籍を放棄しました。人間は自ら退路を断つことで、迷いを無くし、大きく前進できる場合があると思います。キャリアの最後は、民間での多様な経験を活かして世界の平和と発展に貢献することで、国際社会における日本の地位を向上させ、後進の皆さんへ勇気と希望を与えます。

【日本の偉人:特に影響の大きい3人】
以下3名はそれぞれパイオニアとして、ユニークな立場から国際社会に大きく貢献された方々です。「仕事するために生きる」を実践され、国際社会における日本と日本人のリスペクトを大きく高めたと感じる3名です。特に勇気と希望をいただける3人です。
・丹羽宇一郎さん:伊藤忠商事会長を経て、2010年に日本初の民間出身の中国大使に就任。現在は日中友好協会会長
・高峰譲吉さん:明治時代に、タカジアスターゼとアドレナリンを発明し、事業化に成功。日米親善と民間外交にも貢献
・緒方貞子さん:1991年から、日本人初の国連難民高等弁務官として世界の紛争地に赴き、難民の支援に取り組み続けた

次回予告:大迫由佳さん

47期の大迫由佳さんにリレーエッセイのバトンを渡します!大迫さんとは、BPEV PartBのGWを含む2回のStudy Tourや、Accounting等の科目でご一緒させていただきました。大迫さんはイギリス在住、私はアメリカ在住、BPEV PartBのGWメンバーの残り2名(47期の武部さん、川口さん)は日本在住でした。そのため、毎週のSkype MTGは多数決で当然、大迫さんか私が深夜or早朝でしたね(笑)。大迫さんは常に笑顔な「癒し系」です。ただし、実は抜群の行動力と精神力を備えた「体育会系」でもあります。常にメンバーの意思を尊重され、愛情を持ってチームを正しい方向へと導く、私の尊敬する女性リーダーです。乞うご期待!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?