考えるあゆみ(第一回)
「『わからない』が怖い」 なかむら あゆみ 怖がりである。
自然災害も人から嫌われることも驚かされることも人の輪に入るのも夫の運転以外の車に乗るのも丑三つ時に鏡を見るのも、考え始めると他のことが手につかなくなるほど恐ろしい。ゴーストバスターズの巨大なマシュマロマンは未だ夢に出てくるし、「もし呼吸を忘れたら」という呪縛は40年間私の寝つきを悪くしている。小学5年の時、霊感少女と一緒に鉄塔の先端に立つドラキュラを見たせいで、今も尖塔が恐ろしい。
そして私は「わからない」が怖い