震災後の時の経過の中で考えること――『ららほら2』「美しい顔」「当事者」
【書評】日比嘉高1.『ららほら』から『ららほら2』への道程に見る「つらさ」
文芸批評は今つらいところにいるなと、『ららほら2』を読み終え、あらためて思う。一冊目の『ららほら』が響文社から出たのは、2019年4月。B5判ハードカバーで259頁の、がっしりした本だ。クラウドファンディングで資金を獲得し、地域アート的に人のつながりをたぐりながら編んだ本だという。私の手元にあるのは第2刷で、初刊から2ヶ月後の6月の日付をもっている。この本は、東日本大震災で被害を受けた「当事者」や