最近の記事

尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#7番外編

1.付録の「原作者略伝」も閲覧してみる 尾崎翠の翻訳「モレラ」が掲載された雑誌『女人芸術』(1930年新春号「翻訳特集」)の末尾には、翻訳者たちがそれぞれの担当作品の原作者の略歴、人物像、作品の特徴などを解説した、「原作者略伝」というコーナーが付録としてついています。 国会図書館デジタルコレクションで閲覧すると、この「原作者略伝」のページのデザインがなんだか凝っていて面白かったので、画像を一部分だけ載せてみます! 原作者名の頭文字のアルファベットが上の方に大きく描いてあり

    • 尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#6

      尾崎翠らしさが感じられる翻訳部分の紹介&解説 前回やっとのことで、短編小説「モレラ」の翻訳(尾崎翠の文体に寄せたver)の完成にこぎつけました。 こちらの記事で全文を発表しております!↓↓ それでは、いよいよ『尾崎翠全集』を解禁し、翠が翻訳した「モレラ」と、自分の翻訳と比べてみます。 ・・・ 結果! 翻訳ということもあり、尾崎翠ワールド全開という感じはしませんでした!正直なところ、自分が頑張って尾崎翠に寄せて翻訳した部分が、意外とあっさりとした逐語訳的な文章になって

      • 尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#5「モレラ」の翻訳完成

        「モレラ」の翻訳(尾崎翠に寄せたver)完成はじめに&ちょっと言い訳 「モレラ」の翻訳(尾崎翠の文体に寄せたver)がやっと完成しました! 英文の意味解釈の点では、なんとかなったのではないかと思います。(創元推理文庫カンニングのおかげもあり…) しかし、尾崎翠の文体模写に関しては、ほぼ失敗に終わってしまいました! どうしても直訳調から脱却できないし、尾崎翠っぽくしようとして単に堅苦しい感じになってしまったかもしれません。。 せめて所々、他作品から収集した言葉や表現を応用し

        • 尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#4

          尾崎翠作品から使えそうな言葉を収集する 尾崎翠っぽい文体で「モレラ」の翻訳をするために、翠の他の作品から特徴的な言葉使いや表現を収集する作業・・・ ようやく『尾崎翠集成』上・下のすべての作品に目を通し終えました! 例えば、「こおろぎ嬢」からは、以下のような言葉を抜き出してメモしています。 現在は常用でない漢字使いや、尾崎翠らしいと思う表現を抜き出してみました。 「らしい」と思う表現は他にもたくさんあったのですが、「モレラ」の話の流れで応用できそうなものを特にチェックして

          尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#3

          尾崎翠の文体模写をするには? どうにか「モレラ」の英文をすべて日本語訳することができました。次はそれを、尾崎翠の文体に寄せて再現していこうと思います。 ・・・ しかし、いざやってみようとすると、どうやってやればいいのか?? 数年前にかなり話題になった、こちらの本のことを思い出して、さっそく、書店で購入してきました。 夏目漱石、太宰治などの文豪から村上春樹、町田康などの現代作家、さらに漫才、週刊誌、Siriなどの幅広いジャンルの文体を模倣して、カップ焼きそばの作り方をいか

          尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#3

          尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#2

          1.とりあえず「Morella」を日本語訳してみる 昔、受験生の頃などにやった英文法を必死に思い出し、電子辞書を引きながら、原文の日本語訳を進めていきます。 とりあえず高校生の英語の授業のように、ノートの左ページに原文を書き写し、右ページに日本語訳を書いていきました。 難しいポイントその1・・・ いきなり序盤でつまづくのは、モレラが傾倒している研究(ドイツ神秘主義の教義?)について説明される箇所です。 個人を別の個人と区別するものは何か、意識とは何か、などの難しい解説が

          尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#2

          尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#1

          1.尾崎翠による翻訳作品 作家・尾崎翠(1896~1971)は、1930年1月、文芸雑誌『女人芸術』にて、エドガー・アラン・ポー(1809~1849)の短編小説「モレラ」の翻訳を発表しています。『女人芸術』は、「匂い」(1928年11月)、「捧ぐる言葉」(1929年1月)、「木犀」(1929年3月)、「アップルパイの午後」(1929年8月)など、1930年前後の尾崎翠の作品発表の場のひとつとなっています。 尾崎翠の「モレラ」の翻訳は、現在では『尾崎翠全集』(稲垣真美編、草

          尾崎翠のエドガー・アラン・ポー翻訳#1

          尾崎翠クロスワード 解答編

          尾崎翠クロスワードの解答です! (クロスワード本編はこちらの記事にあります)         ↓ ↓ ↓ ~尾崎翠クロスワード 解答~ 最後に…作成してみた感想! 軽い気持ちで作り始めたものの、ぴったりな言葉が見つからない箇所がいくつかあって、「クロスワードじゃなくてただの「尾崎翠クイズ」みたいなのにすればよかった…」と後悔したりしましたが、なんとか完成できてよかったです。 途中、文字列としてキーワードを探したいのにうっかり小説の内容のほうにひたってしまったり、個人的に

          尾崎翠クロスワード 解答編

          マニアック!尾崎翠クロスワード

          作家・尾崎翠の作品のタイトル、登場人物の名前、人物による発言、本文に出てくる言葉などをキーワードにしたクロスワードパズルを作ってみました。 ちくま文庫の『尾崎翠集成』上下2冊の本文をひたすら眺めながら、どうにか完成…!! (特徴的な言葉や場面を思いつきやすかった『第七官界彷徨』に関する問題が多めです) 半分ぐらいは無理やりこじつけた感がありますが、尾崎翠が好きなかた、見ていただけたら嬉しいです。 ~ 尾崎翠クロスワード ~ 【タテのカギ】 1.兄と妹の口喧嘩によって進め

          マニアック!尾崎翠クロスワード