文学さん

言葉を残すためのアカウントです。 何をするか考えながらやってみます 霜村吹空

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最近の記事

拝啓、幸せな君へ

見たくない、聞きたくない、何も知りたくない。目と耳を塞いで手が足りないから情報は防げない。関わらないで済むならそれでよかった。飛んで火に入る夏の虫。そんな言葉が相応しいように思うし、それでいて口の中に羽虫が飛び込んできたような事故。許さないし許しもいらない。プライドではなく負けず嫌いのギャンブル狂。退き時を知らずに破滅する。そんな感じ。 みんな不幸でみんないい。お山に昇れば今よりもっと幸せになれると思っていた。けれどそこにはそこの不幸があって、取引先と糖尿病に悩まされる毎日

    • 小噺②ーあるいは物語の始まりのようなー

      一度手に入れた幸せを手放すことは耐え難い。ましてやそれが他人の手で為されるのならば尚更だ。 だが現実は非情だ。こちらの事情なんてお構いなしにやってきては奪い取っていってしまう。無力を嘆いても、非力を恨んでも、全ては無意味。誰が想像できるだろうか。 長年探し求めていたプレミアディスク、偶然リサイクル店で見つけて喜び勇んで興奮のあまり天にかざした瞬間、空から謎の物体が現れるなんて。 あれは鳥か、飛行機か、いやUFOか。そんな阿呆な。それが奴らの合図だったのか、偶々反射光に惹かれ

      • 小噺①

        一度手に入れた幸せを手放すことは耐え難い。ましてやそれが他人の手で為されるのならば尚更だ。 だが現実は非情だ。こちらの事情なんてお構いなしにやってきては奪い取っていってしまう。無力を嘆いても、非力を恨んでも、全ては無意味。涙がこぼれそうになるのを堪えて天を仰いだ。既に奴は点となり蒼空に消え去っており、必死に睨み付けても空しいだけだった。最後の一つだった鯖サンド、とても楽しみにしていたのに。 降谷白久

        • 新しく貴方らしく今日も咲く

           道端の穴を見るとそこに何があるか気になってしまう。覗いてもきっと何もないか、よくて小動物の痕跡が見られるかどうかだ。 それでもそこには底知れぬ可能性があって、おむすびを追いかけて鼠の世界に飛び込んだり、時計兎とワンダーランドに迷い込んだりできるかもしれない。 やめなさい、蛇にでも噛まれたらどうするの、と言われ良い子の僕ははーいと返事をする。だけど悪い方の僕が顔を出して、穴に手を入れてしまう。 一瞬の間。 何もないことに安堵と少しのため息。立ち上がって散歩の続き。手につ

          少し不安、されどファニー

          どくさいスイッチがほしい。 僕しかいない世界と、僕だけいない世界を試してみたい。 仕事もない、縛りもない、妨げられない、電気も電車も娯楽もない、綺麗で真っ暗闇な世界。誰もやってこない火災報知器の赤い光を点滅させて優雅灯。銀行のお金を燃やして成金ごっこ。 くだらないと、消えたあの子は笑っていますか。どうでしょうか。どうでもいいですね。こんな世界に勝ちなどないから。駆逐されて朽ちるだけのビル群を見て味も分からない最高級なシャンパンで乾杯。大不正かい。 反転。 いつも通り正

          少し不安、されどファニー

          初めましてのご挨拶

          【お知らせ】 「文学さん」という名義でSNSアカウントを開設しました。 目的としては、自分が日々考える言葉や物語を何らかの形で残して公開しようという所です。 数日に一度のペースで投稿していこうと思っています。 内容としては、 Twitterが140字以内の短文 Instagramが写真に文字を載せたストーリー等 Noteが長編エッセイ、もしくは小説 を想定しています。 →→→→→ここからお願い→→→→→ ここまで目を通してくれた方にお願いです。 下に載せ

          初めましてのご挨拶