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Photo by
uniuni11
【インスタントフィクション】夢見るソファ
ソファたちの墓場のように見えた。
色とりどりの、革の、布の、ナイロンのカバーをかけられた新作ソファたちを横目に、アウトレットコーナーに並ぶ彼らには、カバーがかけられていなかった。
彼らは一様に白か灰色だった。
空調も効いていないし、カーテンもないし、照明もついていない。曇り空から差し込む温かみの損なわれた光だけが、冷たくソファたちの墓場を照らしている。
見れば見るほど、彼らに魅力はなかった。形状にも、座り心地にも、これといった優れた点はなかった。彼らは売れ残るか、中古で売り払われここに集まった。来るべくして。
彼らを買う客がいるとは思えなかった。わざわざソファを買いに来て、わずかに安くなっただけの、魅力のないソファを誰が買うというのだろう。
彼らはもうどこにも行きつかないのだろうと私は思った。
この静かな光を浴び、こんこんと眠り続けるのだ。誰にも必要とされることなく。誰かの部屋で、生活の一部になる日を夢見て。