孤独を癒すために高い塔に登る
時刻は午前2時、私は卒業論文を書くために資料を机の上に並べ、キーボードを叩いていた。
この研究に先行きがあるのか、それはわからない。どうせたかが卒論だ。大学院に進むわけでもないのだし、ただ教授が考えるボーダーラインさえ越えれば、そこから先のことには意味はない。
そのことが最もモチベーションを奪っているのかもしれない。
教授はこの広大な森を歩き、成果を持ち帰ってこいと言う。私たちは貧弱な装備で無闇に歩き回り、訳のわからないルートをせっせと作っては地図に起こし、その先に何もないこ