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字が下手に見えるワケ

こんにちは、書家の榎本剛です。
普段は一般企業の人事をやりながら、
副業で書家・美文字系YouTuberをしています。

自分の字は気に入らないのに、
他人の字はなんかキレイに見える。


そう思うことありませんか?

それゆえに、
自分が書いた字を他人に見られるときに、

「ゆっくり書けば本当はうまいんだけどね」
「今日は急いでいるだけで、いつもはもっと、、」

なんて無意味で苦しい言い訳をしていませんか?

いつまで自分の字に
言い訳するつもりでしょうか?


そもそも、
あなたはなぜ自分の字が
気に入らないのでしょうか。

自分の字が下手に見えるワケ、
書家の考えを解説していきます!

大きく分けて、二点の理由があります。

①理想が高すぎる


さて、
あなたの頭の中にある
「キレイな字」のイメージは
どんなものでしょうか?
もしくは、誰の字をイメージしますか?

当然、
人によってそのイメージは様々だと思います。

「会社にいるあの先輩の字がいつもキレイで憧れる」
「高校の頃、あの先生の板書がキレイだった」
「誰だか知らないけど、
よくインスタで流れてくる字がキレイ」
などなど。

人によって様々あるものの、
どんな人の頭の中にも
「キレイな字」のイメージがあると思います。

このイメージと自分の字を比較していませんか?
そして、
「自分の字は下手なんだ」と思っていませんか?

これが良くない!
いわゆる劣等感というやつですよね。

良いイメージ、理想のイメージを持つことは、
字の上達において、大事なことではあります。

しかしながら、
ただ比較して、劣等感を持ち、
自分の字を諦めることだけは
してほしくない。

字の上達において一番大事なことは、
才能ではありません。
字なんてものは後天的なものです。

当たり前ですよね。
母親から産み落とされて、
「はい、もう字が書けますけど何か?」
みたいな赤ちゃんいませんよね。

一般的には、
小学校で平仮名・カタカナ・日常レベルの漢字が
書けるようになるわけです。
その上で、
書道を習い事にしてみたりとか
するわけですよね。

後天的ということは、
誰にでも平等にチャンスがあるということ。
それは同時に、
そこにかける時間・お金・労力によって、
個人差が生まれるということでもあります。

僕は、
一般的な人より「字を書くこと」に、
時間・お金・労力をかけてきたから、
今や書家として活動できているだけのことです。

ピアノも引けないし、料理も大してできないし、スポーツだって嗜む程度。

これは、何も字に限らず、
芸術や芸能、スポーツなど、
いわゆるプロと呼ばれる立場にある人は、
みんな同じ感じだと思います。

さて、段々話が飛躍してきて、
若干読むのに疲れてきた、そこのあなた。

ここであなたに分かって頂きたいことは3点。
・他人の字はあくまでイメージとして持つ
・比較して課題を見つけるのはOK。自分を卑下するのはNG。
・まずは、昨日の自分よりキレイな字を目指す


僕は色々なところでお伝えしていますが、
皆がみんな先生のように
字が書ける必要は無いのです。

昨日の自分よりキレイな字になれば上達、
なのです。

だから、他人の字と比較して劣等感を感じて、
「私には無理」と諦めてしまうことだけは、
してほしくない。
諦める必要なんて全くない。
昔の自分、昨日の自分、1分前の自分、
それより今の自分の方が字がキレイに書ける
それで十分
なのです。

そして、それを積み重ねていった先に、
大きな成果が「自分の字」として実感できる。
これはある意味約束されたゴールです。
決して暗中模索ではありません。

②手が目に追い付いていない


これこそ、「ちょっと何言ってるかわからない」

これは特に字の練習を始めて、
しばらくたったあたりで
ぶち当たる壁だと思います。

例えば、書道教室で習い始めた方。
入会したての頃は、
先生の字も、周りの生徒の字も、
とにかく皆がすごく見える。

「まあ私だって、続けていればそれなりに、、」
「最初だからこんなもんでしょ」
なんて思いながら、とりあえず数ヶ月間練習してみる。

それから、半年くらい続けてみても、
「アレ?結構練習しているのに、なんかいまいち、、」
「周りと比べても、全然差が縮まらない」
「私には才能が無いのかな、、」
なんて思い始めます。
これは結構あるあるなのです。

なぜこんなことが起こるのか?

「あなたの手が目に追い付いていない」
からです。

書道教室に通うと、
「キレイな字」「良い作品」のイメージが、
あなたの目を通して、沢山入ってきます。
そして、あなたもそのイメージに近づこうと、
手を一生懸命動かします。

でも、思うように手が動かなくてイライラ、
いわゆるスランプに陥ることがあります。

これは致し方のないことなんです。

なぜなら、人間というのは、
目で見て理解したと思ったものを、
実際に手で表現できるまでに時差がある
からです。

目の方が先行して上達していきます。
要するに、目が肥えるわけですね。

これは何も初心者の方に限らず、
プロの書家にも、付きまとうものです。

上達を目指すということは、
常に目と手の競争なのです。


前半の話にも繋がりますが、
まずは良いイメージを沢山目で見てください。
書家も「目習い」といって、
展覧会に足を運んだり、図録を見たりして、
常に“良いモノ”が目に触れるようにしています。

ただ、そのイメージと比較して、
自分の字を卑下して終わることだけは、
絶対にやめましょう。
とにかく勿体無いです。

自分に足りない部分、
課題を見つけて、建設的にいきましょう。


イメージを取り入れられたら、
あとは練習あるのみです。
才能が一番ではないとは言いましたが、
決して楽に手に入れられるものではありません。
ひたすら手を動かして、
目に置いていかれないようにしましょう。

そして、
過去より今の自分の方が
キレイな字が書ける状態を
積み重ねていきましょう。

そのような小さな成功体験を
積み重ねていくことが、
モチベーション維持にも繋がります。

続けたもん勝ちです。
頑張りましょう。

もしあなたに続ける気持ちがあるなら、
是非僕のレッスンも体験してみて欲しいです。
必ず成功体験を届けられますから。

書家|榎本剛

-Soundtrack for The Post-

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